スポンサーサイト

Category : スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

追憶の紋章 【Last】 追憶の紋章 -07-

Category : 追憶の紋章【Last】
「ミオはさ、その…、満足してる?」
私を見詰める黒い綺麗な瞳に何となく気後れしながらも、私はそう聞いてみた。
「え?何が?」
「だから、その、ここでの生活に」
唐突に聞いてきた私の質問に、ミオは少しきょとんとした顔をする。

「…いきなりどうした?」
「いや、いきなりっていうか。前からちょっと聞いてみたかったというか…」
ミオは本当は一国の姫君なわけで。
そのまま今度は王妃になる予定だった、高貴な血筋を持った王族の女性。
本来ならお城の中で何一つ不自由なく、優雅な生活が出来たというのに。
今は家事にも追われながら店でパンを焼いたり、子供達の世話をしたりと。
朝から晩まで働き詰めなのだから。

「その、嫌になったりしてないかなあーて」
「リツ…」
すぐにゴツン!と鳴り響く鈍い音。
私の名前を口にすると同時に頭の上に落ちてきた、ミオの鉄拳。
「イター!な、何するんだよ」
「お前が馬鹿なこと聞いてくるからだ」
まったく、今さら…。
そう言って軽く溜息を吐くミオ。

「なんだよー、ちょっと聞いてみただけだろ」
「…あのな、リツ。いい機会だから一度ちゃんと言っておくけど」
私は自分の意思で、リツと一緒に王宮から出たんだぞ。
ミオはそう言うと、私の方に体を寄せてくる。
「私が自分で決めてここまで来たんだ。お前と一緒に…」
私の腕に自分の腕を絡ませ、私の胸に自分の頭を軽く乗せた。

「そりゃ王宮に居た時みたいに、優雅な生活って訳にはいかないけどさ」
パン屋の方も私がお店をしたい、て言って始めたわけだし。
そう言いながら、ミオはクスリと小さく笑った。
「でも最初は大変だったよ。商売なんて始めてだからさ、勝手がよくわからなくて」
でも今は売り上げも、だいぶ上がってきたんだ。
私の胸から顔を上げて話すミオを見ると、とても嬉しそうな表情をしていた。

「はは、そうだな。ミオはパン作りが上手だ」
「えへへ。園長先生のお陰だよ。先生とよく一緒にパンを作ったから」
私が誉めると、ミオは少し照れた顔をしながらそう言った。
「それにリツも手伝ってくれてるし」
「私は大した事はしてないけどな」
「そんな事ないよ…」
ミオはそう言うと、また私の胸に顔を乗せる。

「まあお店は順調と言ってもさ。まだまだ頑張らないと」
他にもいろいろ家事もしなきゃあだし、子供たちの勉強も見たりと。
うん、すごく忙しい毎日を過ごしてるよな、私たち。
指折り数えながらそう言うミオは、どこか楽しそうだった。
関連記事

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

Comment

非公開コメント

プロフィール

書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
こちらはけいおん二次創作SSサイトです。

ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

当サイトはリンクフリーですのでリンクをしていただけると嬉しいです。相互リンクもよろしければ大希望です。

当サイトはまんがタイムきらら原作、アニメ「けいおん!」中心の非公式サイトです。
原作者様、出版会社様、制作会社様とは一切関係ありません。

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
けいおん時計
リンク
ランキング

FC2Blog Ranking

RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。