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追憶の紋章 【Last】 追憶の紋章 -06-

Category : 追憶の紋章【Last】
「リツー!」
なんとなくおかしくて少し笑っていた私の耳に、ミオの呼ぶ声が聞こえてきた。
「ミオ」
家の中を掃除していたミオが、手を振ってこちらにやってくる。

「もう要らない物、全部燃やした?」
「ああ、もうほとんど」
「そう。こっちも掃除大体終わったよ」
そう言いながらミオは私の隣に座る。
しばらくそのまま二人して無言になって、焚火を眺めていた。
二人黙って座っていると、遠くから波の音が聞こえてくるような気がする。
ここは海から少し離れているから、単なる錯覚かもしれないけど。

「せっかくのお休みなのに、もうちょっとゆっくりしていればよかったかな、私たち」
ミオは視線を焚火の火に向けたまま、一人言にようにそう呟いた。
「はは、そうかもね」
でも何となく落ち着かないんだよな、と私が言うとミオは「確かに」と言って少し笑う。
「ここに来てからはずっと、働き詰めだったからなあ」
「確かに、お互い頑張ったもんだ」
ミオの言葉に、私もしみじみ同意した。

ノドカの口添えもあって、この島に住むエルフの長老から快く受け入れてもらえた私たち。
長老は島にある一つの町で、彼が所有する小さな一軒家を私たちに貸してくれた。
長老が貸してくれたその家はとても古くて、最初はいろいろ修繕する処ばかりだったけれど。
町の人たちも、いきなりやってきた余所者の私たちを親切に迎えてくれた。
家の修理もいろいろ手伝ってくれたし、伯爵から頂いたお金を元手にパン屋を始めたときも、いろいろと協力してくれてとても嬉しかった。

パン屋を営む中で、私たちは町の人たちの恩返しも兼ねて、子供達の面倒を見るようになっていた。元々施設育ちの私たちは、小さな子の面倒をみるのは慣れていた。それに王宮で家庭教師についていろいろ勉強したミオは、子供達にとってとても良い先生だった。
私も剣の腕を生かして、島に時折現れるモンスター退治に町の人と一緒に参加したり、子供達に剣術を教えたりと。そうやって二人で積極的に町の人たちと関わっているうちに、すっかり私たちは島の生活に慣れていった。

王都のような華やかさはないけれど。
島での落ち着いた生活がこれからも続くように。
私は今では心からそう願っていた。

そんな風に、私自身は今の生活にとても満足しているんだけど…。
「ミオ…」
「ん?」
「あのさ、前から一度聞いてみたかったんだけど」
「何?」
首を僅かにかしげながら、ミオはまっすぐに私の目を見詰めてくる。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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