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追憶の紋章 【Last】 追憶の紋章 -02-

Category : 追憶の紋章【Last】
「もし他のドラゴンが生き残っているとしたら、…私はまず謝りたいんだ」
「…」
「今まで私はずっと一人で戦ってきた…そう思っていたんだけど」
私を逃がすために、重い罪に問われるかもしれないとわかっていて尚、味方同士で戦ってくれたドラゴン討伐第二隊の皆。彼らの事を思うと、私は胸の奥が熱くなる。
彼らは私の仲間だった、私には仲間がいたのだ。
伯爵だってそうだ。
なんら縁もゆかりもない私に、あそこまでよくしてくれた優しいお爺さん。
ああ、今思えば私は本当に何もわかっていなかった。だから。

「…私は残り少ない仲間のドラゴンを殺してしまった」
私の為に後の事も考えず戦ってくれた仲間や伯爵が、重い罰を受けていたらと思うと心中穏やかでは居られない。そんな事になったら、とても悲しくて辛い。
同じように、もし他にもドラゴンの生き残りがいたら。
なんら罪も無いのに大事な仲間を殺されてさぞ腹ただしく、そして悲しい思いをするだろう。
知らなかったとはいえ、直接手に掛けた私はどこか申し訳のない気持ちが拭えなかった。

「…その言葉だけで充分だよ、リッちゃん」
私の話を黙ってきいていたユイが、不意にとても優しい声でそう言った。
「え…?」
ユイの言葉にどこか違和感を感じた私。
慌てて視線を彼女の方へ向けると、ユイは立ち上がり「うーん」と言いながら両手を上げて背を伸ばしていた。

ほとんどのドラゴンは、人知れぬ場所で静かに死への眠りについていった。
ただ、ほんの稀にではあるが、竜の姿を他の身に変えて、生き延びたドラゴンが居るという…。

ユイは月を見ながら、急に吟遊詩人が詩の一部を話すかのように口ずさんだ。

「…てな事を昔、私の魔法使いの師匠が言った事があったけど」
私もいろーんな所に旅をしてきたけど、生き残っていたドラゴンになんて今まで会ったことも見た事もないなあ。
ユイは眉間に皺を寄せて、必死に今までのことを思い出しているようだった。
「…そっか」
そう私は答えつつも。ユイの事だからアテにはならないかも、とか結構失礼なことを私は思っていた。

「そうだよー。…た…い…はね。」
「ん、今、なんて言った、ユイ?」
話の途中、薪の中にある木が燃え大きな音を立てた為、ユイの言葉が聞き取れなかった。
「いやいや。とにかく今のリッちゃんは、そんな事考えてる場合じゃないよ」
「え、まあ、そうかもしれないけど…」
「今は自分と、それから愛する王女様の事だけ考えなきゃあねぇ」
そう言って、またニヤケた顔をしながら私を見てくるユイ。
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ジャンル : 小説・文学

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