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追憶の紋章 【Last】 追憶の紋章 -01-

Category : 追憶の紋章【Last】
久しぶりに迎えた休日の午後。
せっかくだから少しはのんびりすればいいのに。
私とミオはいい機会だとばかりに、二人して朝から家の大掃除を始めていた。
午前中一杯かけて、家の中を掃除しながら家にあった物を整理する。
その中でもう要らないと判断した物を、私は外で焚火をおこし燃やすことにした。

「それにしてもこれを持ってきていたとはなあ…」
要らない物を燃やしている途中。
私は少し薄汚れてしまったハンカチを見つけると、しみじみとそう呟いた。
荷物にならないよう、必要最低限の物だけを持って王宮から出てきたつもりだったが。
このハンカチがなぜか荷物の奥に入っており、今日の大掃除でひょっこりと出てきたのだ。

それは近衛騎士に任命される前、公爵令嬢から頂いた高価な絹のハンカチ。
その白い布地に刺繍された「赤枝の騎士」の紋章を見た瞬間。
私の心は深く過去に捕われた。
過去の記憶にしばし心を奪われていた私は、目の前の焚火の火が少し弱くなってきているのに気付かなかった。火が消えそうになる前にハッと気づいた私は、立ち上がって慌てて小枝を中に放り込む。

「ふう」
幸い火は消えず、また勢いを増して燃え上がった。
火が消えなくて良かったと思いながら、私はまた木のベンチに座り込む。
一度過去へと捕われた心は、今だ完全にはここには戻っていなかった。
ノドカと交わした会話の一つを思い出し、私の頭から離れなかったせいもあるだろう。

それはユイのこと。

彼女の姉弟子でもあり、「光の賢者」の正統な継承者でもあるノドカですら。
溢れんばかりの魔力を持つユイが何者であるか、それはよく知らないようだった。

ユイが隣国に忘却の魔法を…いや、「忘却の呪い」をかけた事はノドカから聞いた。
先程まで過去に捕われていた私は、ノドカの話を思い出しと同時に、ユイと夜空の下で交わした会話を思い出していた。
それは追手を振り払い、隠れるように入った山小屋の外で彼女と話していた時のことだ。

***

目の間の煙の立たぬ炎の明かりのみ、周囲は闇ばかりの山の中。
私はふとユイに聞いてみたくなった。
「…なあ、ユイ」
「んー?」
「ドラゴンは本当に、もう全て死に繋がる眠りについてしまったのかな…?」
「…さあ、どうだろうねえ。でも、どうして?またドラゴンと戦いたいの?」
「まさか」
ユイの言葉に、私は思わず苦笑してしまう。あんな経験は一度で充分だ。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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