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追憶の紋章 【18】 森の賢者 -07-

Category : 追憶の紋章【18】
青空に焚火の煙が一直線に上がっていく。

「よっと」
私は持ってきた荷物の中から、燃えやすい順に焚き火に放り込んでいく。
火を絶やさぬよう注意しながら、私はぼんやりと燃えて徐々に黒くなっていく、炎の中の様子を眺めていた。誰も居ない場所で目は静かに焚火の炎を見詰めながら、私は耳では遠くに聞こえる僅かな波の音を拾う。季節はもう秋から冬に移ろうとしていた。

今日は久しぶりに、休日らしい休日だった。
お店も閉めているし、子供たちも今日はお休みだと事前に伝えている。

何も予定のない一日。
それは実に珍しい日で、せっかくだからゆっくりとしていればいいのに、私たちはなんとなく落ち着かなかった。結局前からしようと思ってなかなか出来なかった、家の大掃除を二人で朝から始めてしまった。もちろん日々コマメに掃除してはいるけれど。
こちらにきてから五年も住めば、それなりに物も増えてくる。

私は要る物、要らない物などを整理して、不必要な物は燃やそうと思いたった。
家から近い空き地に行き、そこで焚き火の用意をするとすぐに火を付ける。
火は最初は弱弱しかったが徐々に大きくなり、パチパチと音を立てて燃え始めた。

***

オレンジ色に燃える炎を見詰めながら。
私はポケットから、一枚のハンカチを取り出した。
それは上等な絹で出来た、白いハンカチーフ。
ハンカチの隅には「赤枝の騎士」の紋章が、銀糸で刺繍されている。

- 助けてくれた御礼と、近衛騎士になったお祝いに。
その昔、公爵令嬢がそう言って私に贈ってきてくれたものだった。
このハンカチをくれた公爵家の令嬢は、街中に現れたモンスターに襲われそうになった。
その時、たまたま非番で街に出ていた私が助けたのだ。

それは近衛騎士に任命される事が、ほぼ確定していた頃だった。
私は令嬢を助けたことで、父親である公爵から大変感謝され強い推薦も得ることが出来た。
そのお陰で私は騎士の最高の名誉とされる、「赤枝の騎士」の紋章を授与される事が決まったのだ。

私はハンカチを持ちながら、近くにあった大きな丸太をベンチ代わりに座った。
もらったばかりの時は染み一つ内真っ白だったそれも、今はかなり汚れてしまっていた。
…そういえばハンカチと共に、令嬢からの手紙も添えられていたんだっけ。
それは恋文みたいな、そうじゃないような。とにかく微妙な手紙で少々悩んだものだ。
公爵家直属の騎士にならないか、と彼女から誘われたけれど、私は丁重にそれを断った。
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ジャンル : 小説・文学

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