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追憶の紋章 【18】 森の賢者 -03-

Category : 追憶の紋章【18】
ユイの願いを聞き入れた私は、しばらく二人をこの森の中で匿っていた。
森の近くまで来ていた王国の兵士達が、これ以上は行けないと追跡を一旦あきらめるのを見届けるまで。

ほとぼりが覚めた頃。
私は森の外を出て、海沿いの街まで二人と行動を共にし、そこから船に乗ってある島へ行くように薦めた。その島は王都のような都会ではないけれど、純朴な人びとがのんびりと平和に暮らしていた。またその島は、人間とエルフが共存している珍しい場所でもあった。
「島に住むエルフの長老にも手紙を書いておいたから」
そう言って、私は二人を安心させるように少し笑ったのを覚えている。

「二人を受けいれるよう頼んでおくわ。後は船に乗っていくだけよ」
船旅なんてしたことがない、と言う二人に「乗っているだけでいいの」と私は教えた。
「この船が勝手に貴女達をそこへ連れて行ってくれるわ」
用意した小さな船を見て、二人は一瞬躊躇したようだ。
だがすぐに「わかった」と二人声を揃えてそう言うと、船に乗り込んだ。

この街とて王国の支配下にある。
一旦は追跡をあきらめ兵を下げたとはいえ、まだまだ油断はできない。
数日分の食料と水が積まれていた船は、すぐに港を出発した。

***

「うーん、冒険だよねえ」
私から話を聞いて、ユイは楽しそうにそう言った。
「なに、暢気なこと言ってんの…」
「でも島のエルフの長老さんは、二人が住むことOKしてくれたの?」
ユイにも一度話をした事があるその島は、余所者を滅多に入れたりはしない。
大陸にある他の国との争いを避けるためにそうしているのだ。

「ええ、受け入れてくれたわ」
エルフの長老が二人が入ること認めたのには理由があった。
リツが倒したドラゴンには、湖の精霊たちだけでなく近くの森に住むエルフたちも非常に困っていたのだ。森の秩序をあらすドラゴンを倒してくれたリツは、人間といっても恩がある。
ノドカの要請に彼らは心よく承諾し、長老に口添えしてくれた。

「今は島にあるいくつかある町の一つに、二人一緒に暮らしているそうよ」
島といっても結構広いそこには、いくつかの町があった。
二人はその内の一番小さい町でリツが、彼女の後見人でもあった伯爵から頂いたお金を元手に、小さなパン屋さんを開いた。パン屋の仕事の傍ら、リツは近くに住む子供たちに剣術を教えていて、ミオも子供たちの勉強を見てあげているそうだ。

元は近衛騎士であるリツと、王国で最高級の教育を受けたミオの二人は、教師としてはうってつけだったろう。その町の人間たちから子供たちの面倒を見てくれて感謝されているそうだ、とは長老からの報告だった。
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ジャンル : 小説・文学

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