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風邪とライブと昔の君 【前編】- 09 -

Category : SS( 風邪とライブと… 【前編】 )
「唯たちには話をしてるから、ほら早く行ってやってくれよ」
「で、でも」
「俺、用事があるんでもう行かなきゃいけねーんだ。じゃ、絶対顔出してやってくれよ」
じゃ、と行って先輩はさっさと行ってしまった。
「…え?」
ど、どうして先輩が私にそんな事を?まったく訳がわからない。

…本当に訳はわからないけれど、今なら彼に会えるかもしれない。
先輩は平沢君たちにも話をしていると言っていたし、それに。
それに私は彼に会いたい。このまま何も言わずに帰るなんて絶対嫌だ。
とにかく一言でもいいから謝りたかった。
あんな所で待ち合わせなんかしなければ、彼は雨に濡れることもなかったのに。
そう思いながら私は少々フラフラとした足取りながら、彼が居る保健室の方へと向かった。

「はーい、申し訳ないけど律君は今は絶対…あ、秋山さん」
誰か来る気配を感じた平沢君は、最初は私を止めようとした。
でも私と気付くと、「どーぞ、どーぞ」と言って保健室のドアを開けてくれた。
「あ、あの、…いいんですか?」
「特別許可を頂いておりまーす」
ほんわりとした笑顔を見せながら、彼は私を中へと促がした。

「今紬…あ、うちのキーボード担当の琴吹君ね。彼が車を回してくれるよう手配してくれてるんだよ」
その車がくるまで、律君のお世話をよろしくお願いしまーす。
彼はそう言うと、ぴしゃりと音を立てて保健室のドアを閉めてしまった。

私はなんとなく落ち着かない気分になりながらも、彼が眠るベットの近づく。
ベットとベットの間を仕切る、白いカーテンをそっと開くと彼はそこに居た。
ベットの上で眠っている彼は、熱があるのか顔を紅かった。
呼吸も少し苦しそうで、額には汗が乗っている。

私は一度カーテンから出ると、持っていたハンカチを水に塗らして戻る。
眠る彼を起こさないように、私はそっと額や首元に浮かぶ汗をハンカチで拭い取った。
ごめんね、と言いながら私は彼の額にそっと手を当てた。
熱い。やっぱりかなり熱がありそうだ。
こんなに熱がありながら、ライブをこなすなんて…。

「ご、ごめんね…」
私はとても申し訳ない気持ちになって、何度も謝罪の言葉を口にした。
今は眠っている彼に謝罪してもしょうがないのに。

でも彼が起きていたらちゃんと言えるかどうか、私には自信がなかった。
そんな臆病な自分が嫌で、彼に申し訳なくて。
悪い癖だと思うけど、私はまた泣きたくなってくる。
大事なライブ前に風邪を引いてしまった彼の方が、本当は泣きたい気分だったろうに。
私が泣いてもしょうがないのに。

「ごめんなさい、ごめん」
それでも私は泣き止むことができず、こぼれる涙を手で覆いながら何度も彼に謝った。

To be continued…
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ジャンル : 小説・文学

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