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風邪とライブと昔の君 【前編】- 03 -

Category : SS( 風邪とライブと… 【前編】 )
「あはは、そういやそうだったかなー」
私の内心の動揺などまったく気にしてないように、彼は笑ってそう言った。
「確かに俺、昔から荷物になるから傘持って歩くの嫌いだったよ」
雨に濡れるのも嫌いじゃなかったしなー。
そう言ってニッと笑う彼の前髪が、雨に濡れて下に降りていた。
いつも前髪をあげ、オデコ出している時とはまたなんとなく印象が違う。
けどいたずら小僧のような笑顔は、やっぱりいつもの彼だった。

「…あんな処で待ち合わせしない方がいいのかな」
以前に彼は「放課後、文芸部まで迎えに行こうか」と言ってくれたことがある。
でも彼が文芸部に私を迎えにくるようになったら、皆どう思うだろう。
そう思うと何となくそれが気恥ずかしくて私が答えるのに戸惑っていると、彼はすぐに「まあ、別にあそこでいっかー」と軽い感じで言ってくれた。
…私のバカ、本当は嬉しかったくせに。
つい恥ずかしくて、臆病な気持ちになって尻込みしてしまう自分が恨めしい。

「え、別にいいよ。そんなに気を使うなよー」
今度は朝からちゃんと天気予報を見て、雨になりそうならばっちり傘持参するからさー。
そんな風にお茶らけた言い方をする彼を見て、私は本当にほっとする。
遅れたことにも、雨に濡れたことにもまったく怒った様子のない彼はやっぱり優しい。
「…ありがとう」
そんな彼に私は一言お礼を返すのが精一杯だった。

***

私の家の前で別れる際に、彼に傘を貸してあげた。後、ハンドタオルも。
今更だけど、少しでも雨に当たらず帰ったほうがいいに決まってる。
「帰ったらすぐにお風呂入った方がいいよ」
「大丈夫だって。じゃあなー」
彼は私の傘を手に持ち、反対の手を振って帰っていく。

さっきより激しくなってきた雨の中。
私の傘を差して歩いていく彼の後ろ姿を、しばらく見詰めていた。
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ジャンル : 小説・文学

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