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風邪とライブと昔の君 【前編】- 02 -

Category : SS( 風邪とライブと… 【前編】 )
「だ、大丈夫だから、ホント」
そう言う彼の手が、タオルを持つ私の手に軽く触れた。
途端に一つ大きく跳ね上がる私の心臓。
そ、そういえば今の私たちはだいぶ接近しているというか…。

「ほ、ほらもう帰ろうぜー」
いつまでこんな処にいたら本当に風邪引くしさー。
そう言って彼はちょっとバツが悪そうに、私の手から自分の手を離した。
「う、うん。…あ、ほら傘の中に入って」
「え、ああ、悪いな」
私がもう一度彼にそう言いながら傘を持ち直そうとしたとき、不意に傘が手から離れた。

「俺が持つよ」
彼はそう言うと、傘を私の方へと傾けてくれた。
「でも…」
「背の高い方が持つのが、この場合効率いいだろう」
ほら、行こうぜーと彼は促がす。
私はそれ以上は何も言わず、彼と歩調を合わせて歩き出した。

しばらく二人、無言で雨の中を歩いていく。
傘に当たる雨音が、妙に私の耳に響いてくる。
何も話さないなんて珍しいことだった。いつもはたくさん話す私たちなのに。
きっと今日はいつもと少し違うから。いつもより、…近いから。

「今日はいつもより少し遅かったんだな」
微妙な沈黙の時間に彼は焦れたのか、不意に話かけてきた。
「うん。学祭が近いから、皆ちょっとぎりぎりまで残ってて。…ごめんね」
「いや、別にそんなのいいよ」
「でも、そのせいで田井中君を待たせちゃったし。雨にも濡れちゃって」
ずぶ濡れになりながらも待っていてくれた彼に、私はとても申し訳のない気持ちになる。

「あー、これは俺が悪いんだよ」
朝オフクロに今日は雨降るから傘持っていけ、て言われてたんだけどー。
「なーんか面倒くさくてさー」
頭を少しかきながらそう言う彼を見て、私は少し笑ってしまった。
「ん、どうかした?」
クスクス笑う私を見て、彼は少し不思議そうにそう聞いてきた。
「だって、昔とちっとも変わらないと思って」
「え?」
「小学生の時だってりっちゃんはいつだって傘を持ってこなくて、それで…」
そこまで話して私はハッとなった。あ、今私、り、りっちゃんって…。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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