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追憶の紋章 【17】 貴女の側で羽を休めて -10-

Category : 追憶の紋章【17】
「じゃあ、人間に戻る訳だ」
「…それはどうしましょう」
でも本当はほんのちょっと、「魔女」である自分に未練のある私。
そのせいかサワコさんに曖昧な答えを返してしまった。
「うーん、どっちがいいのかなあ。永遠の若さを保つ…てのも捨てがたいよねえ」
腕を組んで真剣な表情をしながらそう言うサワコさんに、私はなんだか笑ってしまう。

彼女は私が通っていた神学校の、穏やかで包容力あったあの学長の子孫だ。
「青い輝石」の真実を知る、特別な家系に産まれた彼女。
容貌も性格も、あまり御先祖様には似てないけれど。
深い学識と、大きな包容力を持ち合わせている処が、何となく私に過去を思い出させる。

神官となるために勉強しながら、のんびりと楽しく過ごした学校生活。
そこで知り合ったお爺さんと、…黒髪の騎士。
彼は結局思い出した過去の為に、心を痛めながら亡くなってしまった。

けっして貴方のせいではなかったのに。

老いた彼が私のことを思い出して苦しんだのかと思うと、心からそう言ってあげたかった。
彼に青い石を渡したのは私だ。師と契約を交わしたのも私。全ては私の責任です。
自責の念で苦しむ彼にそう言ってあげたかった。…今となっては何もかも遅いけれど。
私は彼の最後を知ったのは、随分後の事だから。

「ま、しばらくゆっくり考えたら」
少し過去に心を飛ばしていた私は、サワコさんの声によって戻ってきた。
「そうですね、そろそろこの国を出て…」
「えー、もう出て行くの?つまんなーい!大体いろいろ協力した私に、なんの礼もないわけー」
牢屋に入ったなんて、貴重な体験だけどさー。美容にはよくなかったしー。
そう言ってぶちぶちと文句を言うサワコさん。

「…そ、そうですね、すいません」
「悪いと思っているなら、しばらくここにいなさいよ」
なんか貴女が居たら、もっと面白いことありそうだしさー。
フフフと笑ってそう言う彼女に、私もつられて笑った。

今までずっと羽を広げて世界中を飛び回っていた私だけど。
故郷に戻り、一仕事を終えた今。
ここで、この人の側でしばらく羽を休めて考えてみましょうか。
戻らぬ過去を悔やむのは止めて、これからどうするのかを…。

私はそんな風に思いながら、午後の一時を美味しい紅茶と楽しい会話で過ごしていた。
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ジャンル : 小説・文学

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