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追憶の紋章 【17】 貴女の側で羽を休めて -03-

Category : 追憶の紋章【17】
「何を申しておるか。すでに使者も送り、内々にではあるがあちらとも話が済んで…」
「そちらの方には私の妹弟子が、すでに手を打っています」
「妹弟子…光の賢者の弟子の一人か」
「御意。彼女はすでに隣国に対して魔力を行使しました」
「…魔力?とは」
伯爵が不思議そうにしながら、私にそう聞いてきた。

「隣国の王家及び、内々に進めていた姫との婚儀を知る者に…呪いをかけたのです」
「の、呪いだと!」
王は先程まで「ドラゴンの呪い」によって苦しめられたからか、呪いという言葉に強く反応した。
私は王の叫びに応えるため、一度深く顔を頷かせた。
「彼女は一国全体に対して呪いを掛けました」

隣国の姫の事は知っている者は、全てそれを忘却の彼方に捨て去るように…と。

「今回の婚儀の件を、全て無かったことに。忘却の闇に消してしまったのです」
私の言葉に陛下だけでなく、終始余裕ある態度を崩さなかった伯爵までもが、ぽかんと口を開けて驚いていた。

***

「もう、ひどい話ですねえ!一介の騎士から王になれたのだって、ムギさんのお陰なのに…」
「そうだねえ…」
ユイさんの肩に乗って、ムギさんの過去の話を聞いていた私。
最初は初代の王に対して、とても怒っていたのだけれど。
でも晩年になって記憶を思い出した彼が、自責の念にかられたまま心労で亡くなった。
そうユイさんから教えてもらうと、私はそれ以上は何も言えなくなった。

「王様も別に悪気があってした訳じゃないから」
「そうですね。でも…悲しいです」
「そうだねえ…」
エルフの秘術によって「永劫の時を生きる」魔女となったムギちゃんはね。
しばらくお師匠さまと一緒に世界中を旅して回ったんだ。
ユイさんはほんわりとした口調で、私にそう教えてくれた。
「それはムギちゃんの、昔からの望みでもあったんだよ」

物語の世界を見るように、世界を見て回った彼女。
「ムギちゃんは魔女になった事を、後悔なんて一度もしてなかったよ」
「…そうですか」
光の賢者と、その賢者に選ばれた弟子三人。
その四人と一諸に、午後のティータイムの時間を私はいつも楽しみにしていた。
いつもにこやかな笑顔を浮かべ、美味しいお茶を淹れてくれていたムギさんの姿を、私はよく覚えている。

確かにそんな悲しい過去があったなんて想像できないくらい、いつもあの人は楽しそうだった。
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ジャンル : 小説・文学

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