スポンサーサイト

Category : スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

追憶の紋章 【17】 貴女の側で羽を休めて -01-

Category : 追憶の紋章【17】
私が魔法使いから預かった「魔法石」
…それは約百五十年も前の、契約の証だった。
王家の秘宝ともなっていたそれを、私はようやくこの手に取り戻した。

「…ありがとうございます、陛下」
「ふん、そんな物もうどうでもよいわ」
先程まで荒い息をしていた王の呼吸も、今はもう乱れていない。
王家の始祖から受け継いだ、ドラゴンの呪いによる石への執着。
どうやらそれはもう、王の心からすっかり無くなっているようだった。

王と同様に、今後「祈りの乙女」でもあるミオちゃんが魔法の詠唱を唱えたとしても、彼女の手の中に石が現れる事は、もうないだろう。良かったと私は内心ほっと一つ安堵を吐く。
これで彼女の体を蝕むものはなくなったのだから。

「…陛下、私からも御礼を申し上げます」
長い間気がかりでありながらも、つい放っておいてしまった仕事をようやく終わらせた。
そんな気がして満足感に浸っていた私は、伯爵の声を聞いて少しハッとなる。
「ふん、伯爵よ。別に卿に礼を言われる筋合いはない」
私の時と同じように、王は素っ気無い口調でそう言った。

「いいえ、陛下。臣が御礼を申し上げたのは、その石の件だけではございませんぬ」
王宮内を騒がせた騎士たちに寛大なるご処置をして頂ける。
…そう王の口から先程、臣はこの耳で、ちゃんと聞きましたので。
伯爵がそう言うと、陛下は何か言いたそうに口元を少し歪ませる。
だがすぐに口元を和らげると、これ見よがしに大きな溜息を一つ吐いた。

「…まあ、よいわ。しかしさすがにまったくお咎めなしという訳にもいかんぞ」
ドラゴン退治の功は全て帳消しにする。それと数ヶ月の減給だ。
少々複雑そうな表情を見せながらも、王者としての判断を王が下すと、伯爵がそれはそれは嬉しそうな表情になった。
「おお!何たる寛大なご処置!臣は歓喜に絶えません」
大げさな素振りで喜ぶ伯爵に、王は苦笑しているようだ。

「…ですが大臣たちはそれは甘い、と言うやもしれませんな」
まあその場合は、臣の首の一つでも跳ねれば事は済みましょうぞ。
伯爵は先程までの大げさな素振りから一点、静かな口調であっさりとそう言った。
「伯爵!」
「良いのだ、魔法騎士殿」
伯爵は軽く笑いながら、私の動きを遮るように手を軽く上げた。
いけません、伯爵。貴方がそんな事になれば、リッちゃんがどれ程悲しむか…。

「伯よ、卿には余が別の刑を用意してやろう」
私が伯爵への嘆願を願い出ようとする前に、王はそう言って伯爵を見た。
「は?何でございましょう、陛下」
「卿にはこれから我が王子の教育係になってもらう」
「な、なんですと!?」
関連記事

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

Comment

非公開コメント

プロフィール

書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
こちらはけいおん二次創作SSサイトです。

ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

当サイトはリンクフリーですのでリンクをしていただけると嬉しいです。相互リンクもよろしければ大希望です。

当サイトはまんがタイムきらら原作、アニメ「けいおん!」中心の非公式サイトです。
原作者様、出版会社様、制作会社様とは一切関係ありません。

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
けいおん時計
リンク
ランキング

FC2Blog Ranking

RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。