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追憶の紋章 【16】 過去との決別 -08-

Category : 追憶の紋章【16】
帝国時代の終わりに。
原因はわからぬままに深い眠りに付いたドラゴンたち。
だがその内の一頭が、長い時を得て再び目覚めた。

その身には過去、人間に意思を奪われ酷使された記憶が、強烈な憎しみとして残っていた。
再び目覚めたが、またもや騎士と乙女を繋ぐ青い石に敗北したドラゴンは、最後の力を振り絞って己の血に呪いをかけた。

- その青き石を誰にも渡してはならない。
- その石がお前の手から無くなれば、お前は破滅する。
- その石を狙う者は、お前にとって敵だ。
- 敵は殺せ!

「…ドラゴンの血を浴びた彼ですが、体のどこかに傷を負った訳ではありませんでした」
血を洗い流し、公国へと帰ってきた彼を誰もおかしいとは思わなかった。
彼自身でさえ、自分に呪いがかけられていることなど気付きもしていない。

「彼は戻ってすぐに、いつもの場所で私を待ってくれていました」
私に青い石を返す約束を、彼はちゃんと果たそうとした…けれど。
「森の奥へと来た私の姿を見た途端、彼の体内に隠れていた呪いは発動しました」

- こいつはお前の石を奪いに来た者だ。
- その石を渡せばお前は破滅だ。
- それでいいのか?嫌ならば戦え。剣を抜け。
- その女を殺せ!

「二度までも人に敗れたドラゴンは、自分を倒した騎士である彼のみならず、魔力を持って己を力を封じていた乙女も憎かったんです…」
呪いによって錯乱した彼は私が近づいた瞬間剣を抜き、私の胸に突き刺したのだ。

「…私はしばらく師の弟子であり、今では私の姉弟子である家に滞在し、剣で刺された体の治療に専念しました」
その間に私は師から、彼にかかった呪いの話と、その後の南の地方の情勢を詳しく聞いた。
ドラゴンを倒した彼は皆から薦められるままに、王となったことも。
王となっても彼は驕ることなく、王国のために誠実に政務をこなした。
そんな彼に忠誠を誓ったそれぞれの諸侯や、新しい国の民となった人々も安心し信頼するようになっていった。

姉弟子の家で治療を受けていた私は、契約通り師の弟子となった。
弟子となった時点で、私は過去の自分と決別することにした。
私は病気になり遠くで治療を受けていたが、治療の甲斐なく亡くなった。
…そう、両親には告げられた。

私の死を悲しむ父や母には本当に申し訳なかったけれど。
それはまるっきり嘘という訳ではない。彼に刺された傷はかなり致命傷だった。

私はあの時、本来ならもう死んでいたのだ。

師の治癒魔法と、エルフである姉弟子の秘術を用いて命を取り留めたときから。
私はもうすでに普通の人間ではなくなっていた。
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ジャンル : 小説・文学

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