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追憶の紋章 【15】 魔法騎士の過去 -09-

Category : 追憶の紋章【15】
「それはもう百五十年以上も前のことだよ…」

ユイさんはムギさんから聞いた話を、今はどうやらすっかり思い出したようだった。
猫の姿のままでユイさんの肩に乗った私は。
のんびりと馬を進めながら話す、彼女の声に耳を傾けていた。

「それまで長く栄華を誇っていた帝国が崩壊してから、数十年程たった頃」
一度壊れた秩序は長い時を得て、それぞれに微妙な危うさを持ちながらも、ようやく落ち着きを見せ始めててね。過去に帝国が支配していた版図は、大きく三つの勢力に分かれちゃったんだよ。

西側を海に面した帝国の元版図では、北と東にすでに二つの新たな勢力が興り、王国の樹立を高らかに宣言して新しい国造りに邁進してたんだよね。でも残りの南側だけは統一の気配をまだ見せず、大小様々な公国や諸侯がそれぞれの領地を所有してたんだ。

「ムギちゃんは南側の、それなりに大きな領地を持った公国の領主の娘として産まれたって言ってたっけ」
今はもう滅んだ帝国において、公爵の称号を持っていた家柄。
そこで生まれた彼女は、姫としてそれなりに裕福な暮らしをしてたらしいんだけど…。

***

その女の子は産まれながらに、ちょっと不思議な力を持っていました。
他の人にない力を持つ娘を心配した両親は、信頼していた神官からの薦めもあり、その子を寄宿舎付きの神学校へと入学させました。
神官になる学校だから、それなりに厳しい規則もあるけれど。
おおらかで優しい神官長の元、その学校は意外な程開放的でした。
女の子はそこでのんびりと過ごしながら、学校生活を楽しんでいました。

「その子はとっても頭が良い子でした」
歴史や神学、哲学などの神官になる勉強で優秀な成績を収めながらも。
女の子は学内に付属する図書館に置いてあった、たくさんの物語に夢中になっていました。

勇敢な騎士と美しい姫の物語。
不思議な魔神を使って幸せになろうとする少年。
ドラゴンや妖精たちの話。

その子は物語を読むだけでは飽き足らず、いつか自分自身がここを出て広い世界を旅してみたい。…いつしかそう思うようになっていたのです。

「そんな女の子に大きな転機が来たのは、彼女が十六の頃」
彼女の運命を大きく変える、二人の人物に出会ったのです。
…それまで淡々と話していたユイさんの声に、ほんの少し重みが加わったような気がしたのは、私の気のせいだろうか。

私はそう思いながらも、何も言わずまた彼女の話に耳を傾けていく。
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ジャンル : 小説・文学

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