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追憶の紋章 【15】 魔法騎士の過去 -05-

Category : 追憶の紋章【15】
「…き、貴様」
「申し上げにくいことなれど。今回魔法士たちの失敗を、直接関係のない騎士や兵士たちが命を賭けて拭ってくれたのです」
もちろんこれには、陛下が魔法士たちを使って、ドラゴンを思いのままに操ろうとした責任も、多分に含まれている。

「どうかそれらの事情も酌み、その功をもって彼らに寛大なるご処置を…」
「そ、それは…」
「…陛下、この老いぼれからもお願い申し上げます」
どうしても罪を問うとあらば、彼らの罪は全て私一人に受けさせてもらえませぬか。
伯爵はそう言うと深々と陛下に向かって頭を下げた。

「伯よ、何を言って…」
「私の首一つでも落せば、多少は今回の件で処罰を下したという形も出来ましょう」
「伯爵!」
「まあまあ、魔法騎士殿。落ち着かれよ」
飄々とした様子ながら、覚悟を秘めた言葉を淡々と語る伯爵に私は言葉を失う。

「魔法士たちの失敗は、まあ、ある意味仕方がないと言ってもいいでしょう」
どれほど完璧を期そうとしても、失敗はつきものですからな。
「ドラゴンを使い戦局を有利に進めようと思われたのは、一国を統べる王としてのお考えになることには理解できます」
伯爵は穏やかな表情で陛下を見ながら、淡々と話を続ける。
「しかし結果的には魔法士たちは竜の制御に失敗し、ために街が襲われ甚大な被害を受けたのも事実。なのに当事者たる魔法士たちになんらお咎めないとあっては、不公平にも程がありますぞ」
伯爵は凜とした態度で、王に向かってそう言った。

「さらに最終的には魔法士たちの進言を取り入れた、陛下の責任でございましょう」
「…」
先程魔法騎士殿が述べたように。
今回陛下の誤った判断を、討伐隊の彼らが命を賭けて拭ってくれたのです。
「それに対して陛下は何とも思われぬのですか?」
「な、何を…」
「どうなのです、陛下」
「ぐ…」
陛下は苦しそうな表情を浮かべていた。
伯爵の言葉を痛い程理解しているからだろう。

「ええい!確かに今回の件では、余の決断も誤りもあったわ!」
伯爵の言葉に、とうとう陛下はそう言って折れた。
「…だがそうだとしても、魔法士たちの罪を公にするわけにはいかん」
確かにそれを公にすれば、魔法士たちを使ってドラゴンを戦力の一つにしようとした王の責任が問われてしまう。

常々魔法を嫌い、魔法士より騎士や兵士による軍隊の充実を唱える王弟に攻められる、格好の材料を与えてしまう。王はそう思っているのだろう、だが。
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