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追憶の紋章 【15】 魔法騎士の過去 -03-

Category : 追憶の紋章【15】
「確かに王宮内で味方同士、それも近衛騎士が剣を抜くことなど。決して許されることではありません。それは痛い程に承知しております…」
王弟の子息が再び声を上げる。
「ですが今回の戦いで怪我人は出ておりますが、死者は一人も出ておりません」
彼に続いて、他の騎士からも声が上がる。

「彼らは充分に手加減をしていた思われます。また、しばらく正門前に粘りましたが、その後は大人しく縛につきました」
正門前で伯爵と共に戦った彼らは、今は全員地下牢にそれぞれ閉じ込められていた。
牢に連れていかれる際も、彼らは目立った抵抗はしていない。

「陛下!甘いことは百も承知ですが、どうか今回ばかりは彼らに寛大なるご配慮を!」
「我等一同が得たドラゴン討伐の功績を、全て返上致します」
「我らの功も合わせて、彼らには寛大なる処分を願い申し上げます!」

お願い申し上げます!

玉座の前で跪く近衛騎士たちが、声を揃えてそう言うとまた深く頭を下げた。
そんな彼らを、王は顔色一つ変えずにじっと見詰めている。
会議が始まった当初からひどく不機嫌な様子で、大臣たちの話にも口をださなかった国王。

上級貴族の称号を持つ者のみならず、王族の一人までもが「反逆者」とされる者たちの擁護している。そのために、一旦落ち着きかけた会議はまたもざわめきを見せ始めた。
大臣や武官たちが声を上げながら、話し合いは進む。

その中でそれまで沈黙を貫いていた王が急に立ち上がった。
「この件は余の方で決断する。皆の者は一旦控えよ」
そう言って驚く武官、文官、助命を嘆願しにきた近衛騎士たちを尻目に、玉座から早足で離れ部屋を出て行ってしまった。
突然の陛下の言葉に全員驚きつつも、会議はそこで無し崩し的に終了となった。

私と伯爵が陛下の私室を強引に尋ねたのは、その日の夜だ。

***

「伯よ!どの面下げて余に会いに来たか!」
手に持っていたグラスを一旦テーブルに置いた陛下は、そう言って伯爵を睨み付けた。
「大体なぜ今、お主がここに居る。王宮内で騒動を起こした者たちは全て牢に閉じ込めたはずだぞ」
「御意。おっしゃる通り先程までは牢にいましたが、こちらの魔法騎士にお願いしましてな、ちょっとズルをしました」
伯爵は私の方をチラリと見た後、舌を軽くぺろりと出してそう言った。
「ぐぬぬ…」
伯爵の軽い態度に、陛下は右手を握り締めてますます睨みつけてくる。

「まあまあ、陛下。私が許せぬのであれば、後でこの首すっぱりと斬ってくだされば済む事」
そう言って伯爵は首の後ろに自身の手を持って来て、トントンと叩いてみせる。
「私やこちらに居る魔法騎士殿を斬って処罰するなど、陛下には造作も無いこと」
ならば彼女の話を一度聞いて頂き、それから臣の首を取っても遅くはないと思われますが。
飄々とした口調で話す伯爵の態度には、どこにも臆した様子はない。
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