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追憶の紋章 【15】 魔法騎士の過去 -01-

Category : 追憶の紋章【15】
トン、トン。

私は二度、ドアをノックしてみた。だけど部屋の奥からは何も返答がない。
それは予想していた事なので、私は気にせずドアノブに手を掛けた。
「…失礼します」
相手の承諾なくドアを開けるのは気が引けるけれど。
そう思いながらも、私は一言そう言って部屋の中へと足を進めた。

「…王の私室に、許可無く入るのはどこの無礼者か」
部屋の奥、暖炉の前に置いた椅子に座っていた陛下が、ジロリと鋭い視線を私に向けた。
王の表情には苦々しい雰囲気が漂い、声は不機嫌そのものといった感じだ。
「どうぞ無礼をお許し下さい、陛下」
私は一度深く頭を下げて、非礼を詫びる。
「お前は姫の…」
「王女様付きの魔法騎士、公爵家の一門に連なる者でございます」
「王女」と私が口に出した途端、陛下の表情がますます険しいものになった。

「…姫に一番近しい身でありながら、姫をむざむざと誘拐された責を追う者だな」
余はお主を呼んだ覚えはない。出て行け!
陛下の苛立ち混じりの声が、私を責めるように突き刺さる。
「申し訳ございません。陛下にぜひお話したい儀があり、非礼は承知で参りました」
「話だと。命ごいなら余は聞く耳は持っておらぬ!衛兵!何をしておる!この無礼者を部屋から追い出せ!」
「…ドア前に立っていた衛兵たちなら、私が眠らせました」
「な、何、眠らせただと?」
私の言葉に陛下は一瞬にして警戒するように身構えた。

「勝手なお願いなれど、どうかいま少しお時間を下さい、陛下」
それと陛下とゆっくりお話をさせて頂きたいと願っている者は、私だけではありません。
私はそう言うと、少し体をドアの横へとずらした。
私の後ろからすっと現れたのは、年齢を感じさせないしっかりとした足取りを見せる、青い瞳を持つ老貴族だ。
「は、伯爵…」
「お久しぶりでございます、陛下」
開いていたドアをゆっくりと閉じた後、深々と陛下に頭を下げたその人は。
先代の近衛隊長でもあり、リッちゃんの後見人でもある伯爵だった。

「伯よ、貴様…!」
伯爵の姿を見ると、陛下は少し興奮したように一瞬立ち上がろうとして腰を浮かせた。
その際に暖炉の前に置いてあった小さなテーブルが王の足に当たり、上に置いてあったワインのビンが大きく揺れた。
揺れるビンに構わず、陛下は伯爵を睨み付けるように見ている。
王に見詰められても伯爵は少しも怯むことなく、穏やかな笑顔を浮かべていた。
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ジャンル : 小説・文学

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