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追憶の紋章 【14】 魔法使いとの別れ -05-

Category : 追憶の紋章【14】
「それでその人に許可を貰って、森を抜けていくの」
例えお城の兵士達が二人を追ってきても、森に入ることはしないだろうし。
仮に入ってもただひたすら迷うだけ。
「その間に、この国から出ていけばいいよ」
ユイはそう説明してくれた。

「この手紙でその…賢者?さんに会ってもらえるの?」
ミオが手紙を見ながら、ユイに尋ねる。
「そうだよ。だーいじょうぶ。私、その人と仲良しだから!」
後のことは全て、賢者さんが二人にとってもよくしてくれるよ。
ミオを安心させようとしてか、ユイは笑顔満面でそう言った。

「森を抜ければ海に出られるはずだから、船に乗ってここを離れるのもいいと思うし」
「ユイ…」
「わかった?じゃあ、さっそくだけど。もう行った方がいいよ、リッちゃん」
私の魔法は効くことは効くんだけど。
時間がどれくらい持つか、自分でもよくわからないんだよねえ。
そう言ってアハハ、と笑うユイ。
ユイは追手が私たちに迫るたびに、「忘却の魔法」を掛けて阻止してくれていた。

「魔法かけたことも、よく忘れますしね」
アズサがちょっと呆れた様子でそう付け足す。
「…それでいいの?」
ミオがちょっぴり呆れ顔になってそう聞いても。
「うーん、…多分大丈夫!」
「はは、ユイらしい」
大丈夫じゃないですよ…とぼやき気味に言うアズサには悪いけど、私は笑ってしまった。

とりあえず行き先は決まったけれど。
私は王都がある方角を眺めながら、まだ少しためらっていた。
私たちの事はそれでいいとして。
私はミオと二人で王宮から逃げる際に手助けしてくれた、同じ近衛騎士や兵士の仲間たち、そして伯爵の身が心配だった。
「リツ?」
顔に出ていたのか、ミオが心配そうに私を見詰めてくる。

「助けてくれた彼らや伯爵が、重い罪を課せられるんじゃないかと思うと…」
…伯爵。もういい年で、鼻の下に綺麗に揃えてある髭は真っ白なのに。
笑った顔はいつもとびきりのいたずらを考えている時の、子供みたいにやんちゃな感じで。
そしてとっても純粋な心を持った、優しい人だった。

- お前はいつもワシの期待に応えてくれる。

伯爵はあの時そう言ってくれたけれど。
本当にそうだったでしょうか、伯爵。
お世話になってばっかりで、何一つ恩返しする事もできずに…。

自分自身は何一つ後悔などしていないけれど。
私のせいで関係のない人々が罪に問われるのは耐えがたかった。
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テーマ : 二次創作:小説
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