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追憶の紋章 【14】 魔法使いとの別れ -03-

Category : 追憶の紋章【14】
「な、何…?」
「えへへ、なーんでも。もうラブラブなんだからー、お二人さんは」
「ユイ」
「冗談です、リッちゃん。そんなに照れなくてもー」
「…まったく」

ユイにからかわれた私は、少し照れもあってその後しばらく黙ってコーヒーを飲んでいた。
静かな山の中。僅かに揺れる薪の炎の爆ぜる音と、山の中を駆け巡る風の音だけが私たちを包んでいた。季節は冬も近い。吹く風はそれなりに冷たかったが、目の前の炎を私を暖めてくれていた。

私はその日の夜、ユイと二人いろんな話をした。
話の内容はほとんどがたわいもない話ばかり。
一国の姫君をさらってしまい、軍隊に追われている身とは思えない程、私たちはのんびりとくだらない話ばかりしていた。でも、それはとても楽しかった。
ユイと二人、星空の下で互いに笑いあった。

…ユイは、普通の人間とは違う。

たわいもない話で互いに笑いながら、私は内心そう確信していた。
今までの彼女の言動から、私はすでにそれを感じ取っていた。
どこか「人」という存在を、達観した目で見つめ淡々と語るユイ…。

でもそれは私にはどうでもいいことだった。
ムギや伯爵、他にも共にドラゴンと戦った仲間の騎士や兵士たちを助けてくれた。
さらに私はユイからドラゴンの真実や、王の真意を知る事になった。
だから危険を承知でミオを連れて、王都を出る決心が出来たとも言えるのだ。

例えユイが何者であろうとも。
今となってはこの忘れっぽくて能天気で、そして不思議な魔法使いを私はとても信頼していたし、そして結構好きだった。ムギ以外に出来た私の新しい友人。それがユイだ。

私にとってのユイの存在はそれが第一で、それ以外はさして問題ではなかった。

***

次の日。
朝、目を覚ますと隣で眠っていたミオがいなかった。
夜にアズサが私と見張りを交代してくれたので、私は一度山小屋に戻っていた。
ミオのすぐ側で、彼女と寄り添うようにしながら、昨日少しだけ眠ったのだけど。
慌てて起き上がり外に出ると、外に繋いでおいた黒馬の側にミオが居るのを確認して、私はホッと胸をなでおろした。
ここまで必死に走ってくれた馬を労わるように、ミオは手で優しくさすっていた。
ミオは大きな黒馬に対して、脅える気持ちはなくなっていたようだ。

「ミオ」
「あ、おはよう、リツ」
明るく笑って朝の挨拶をしてくるミオの表情は明るい。
良かった、どうやらそれ程疲れている様子もない。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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