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追憶の紋章 【14】 魔法使いとの別れ -01-

Category : 追憶の紋章【14】
王都を出てから私たちは走りに走り、ようやく国境近くまで来た。

私たちを逃がすために壁となってくれた騎士たちや伯爵を乗り越え、王都からの追手は何度も近くに迫ったが、私はミオを庇いつつ剣を奮い、迫る追手からなんとか逃げ切って来た。
一緒に付いてきてくれたユイやアズサも、時折魔法を使って相手を混乱させたり、馬を脅えさせたりしてその度に何とか危機を逃れた。

昼夜を問わず走り、しつこい追手からようやく逃れ一息着いた頃。
ユイの助言を従い、私たちは国境付近の山奥に入った。
山の中で夏の間猟に使う為に作られた小屋を見つけ、ここで一夜を過すことを決めた。
これ以上走り続けるには、馬も人間も限界に来ていたからだ。

***

その日の夜。
私は山小屋の中で火の番をしながら、疲れてぐっすりと眠るミオの横顔を見ていた。
幼い頃に王宮に連れられてからは、あまり外に出ることがなかった彼女には、ここまでの逃避行がさぞ堪えた事だろうと思う。

私はミオの頬にかかった髪を払うと、少し乱れていた毛布を彼女の肩までたくし上げた。
ミオのすぐ側で、アズサが猫の姿で眠っている。すっかり見慣れた感もあるけど、なんだかアズサは人の姿よりこっちの方がしっくりくるような気がする。

私が立ち上がると、アズサはついと頭を上げてこちらを見てきた。
私は彼女に視線のみで「外へ出る」と伝える。アズサは承知したとばかりに一度顔を上下に動かすと、小さな欠伸をした後でまたミオの方へ体を寄せ丸くなった。
二人?の様子を見ながら、私は静かに木のドアを開け外へ出た。

「ユイ」
「あれ、リッちゃん。もう交代の時間だっけ?」
「いや、違うけど。…隣いいかな?」
そう言って私はユイに近づく。
倒れていた木を椅子に見立てて座っていたユイは、「どうぞ、どうぞ」と言って、少し体をずらしてスペースを空けてくれた。

「どうしたの、眠れないの?」
「…まあね」
ユイは私にそう聞きながら、目の前で燃える小さな薪の炎を見つめていた。
山小屋の中の火もそうだが、この焚火からも煙は立っていない。
これはアズサがかけてくれた「魔法の火」だ。
ただの焚火では煙が昇り、居場所がばれてしまうのを防ぐためだ。

それにしてもアズサは魔法使いの助手だ、と自分では言っているけれど。
ドラゴンとの戦いの折に見せた水の魔法とか、この火の魔法とか。
なんだかユイよりずっと多彩な魔法を使えるようだなあ、と私は思っていた。
ユイももちろん魔法を使えるはずなんだろうけど。
「忘却の魔法」以外の魔法、私は見た覚えがないような…。
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