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追憶の紋章 【13】 王都脱出 -10-

Category : 追憶の紋章【13】
「ま、それも全てあんたの功績の一つよ。さあ、そろそろ行った、行った」
「行こう、リッちゃん、お姫様」
ユイが手綱を引いて、私たちを促した。
「…サワコさん、お元気で」
「あんたもね。姫君もお幸せに」
「ありがとうございます…」
「二人の身に神の恩寵があらんことを…」
サワコさんはそう言うと、短い神官の祈りの言葉を私たちに捧げてくれた。

「アハハ。なんかサワコさんの神官らしい姿、始めて見たような」
「失礼ね。私くらい優秀な神官いないわよ」
そうですね…と私は一度はそう同意しながらも。
祝宴の最中に酒に酔っていろんな人に絡み酒をしていた、神官としてはあるまじき姿のサワコさんの様子を見ている私としては、少々同意しかねる訳で…。

「とにかく。後の事は気にせず頑張って逃げ切って、二人一緒にどっかでよろしくやってなさい」
「…わかりました。じゃあ」
「はいはい。それじゃあ魔法使いのお二人さん、二人の事頼むわね」
「ラジャー」
「まかせて下さい」
「じゃ、私は戻るわね」
サワコさんは軽く手を振って、私たちから離れていく。

「あの!」
ミオが離れていくサワコさんの後ろに声を掛けた。
「はい?なんですか、姫君」
「ムギに…ムギに私は大丈夫だからって。そう伝えておいてください」
「…承知致しました。王女殿下」
彼女はにっこりと笑ってそう言うと、馬を走らせて行ってしまった。
王都に戻る彼女の姿を、私は不安な気持ちで見つめていた。
ムギに何か考えがあるのかもしれないが、本当に大丈夫なのだろうか…。

「行きましょう、リツさん」
「…うん」
また馬を走らせる前に、ミオには私の後ろへと乗る位置を変わってもらう。
「さーて、これからは走りまくりだよー」
ユイはそう言うと、再び馬を走らせた。
私は軽く頭を振ると、一度後ろを振り返りミオを見た。
彼女を安心させるように軽く笑った後、すぐに馬を走らせユイたちの後についていく。

心残りは尽きないが。
私がどれだけサワコさんや伯爵、さらに私たちを逃がしてくれた討伐隊の仲間の身を心配したとしても、今の私にはどうすることも出来ない。

私やミオは、もう生まれ育った王都を離れ、外へと旅立ってしまったのだから。

今はただ、彼らの好意を無にせぬように、ひたすら馬を走らせるだけだ。
私のお腹に手を回すミオの手に時折触れながら、私は心からそう思うのだった。

To be continued…
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