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追憶の紋章 【13】 王都脱出 -06-

Category : 追憶の紋章【13】
「いろいろ助けてもらったしねえ、赤枝の騎士には」
「まあなんというか。ドラゴンを怖がって城から一歩も出てこなかった、勇敢な貴族の騎士様たちにはわからないでしょうけどね」
私たちを守るように、追手の前に壁を作っていた騎士たちから、どっと笑いが毀れた。

「ほら早く行け!」
彼らは必死に、私たちを捕らえようと迫る騎士たちと剣を交えていた。
騎士たちだけはない。盾を持ち、もう片方の手に持つ槍で、下から馬上にいる騎士と応戦する兵士や、少し離れた処から正確な矢を飛ばし、私たちを捕らえようとする兵士たちの冑を矢で掬いあげる弓兵たちも居た。

「私たちだけじゃあ、そんなに長く持ちませんよ!早く!」
軽い鎧を着込んだ女性が、弓を片手に大声でそう叫んだ。
彼女の他にも別方向から、私たちを援護するように矢が飛んでくる。
もしかしてこの人たちは、リツと一緒にドラゴンと戦った…。

リツは自分たちを逃がす為に、今は同じ味方の兵と戦っている…共にドラゴンと戦った仲間をしばらく呆然と見ていたけれど。
「………ありがとう」
一言そう御礼を言うと、馬首を翻し先ほどの神官騎士の女性の方へと馬を進めた。
少し馬を走らせると正面からまた馬上の騎士や、槍を持った兵士たちが現れたが、誰も私たちを止めようとはせずにその横を通り過ぎていく。
「頑張って!」
「ヒューヒュー、お二人さん、お似合いだぞー」
「あーあ、貧乏くじ引いた」
すれ違いざま口々にそういいながら、後ろから追いかけてくる兵の行く手を阻むように、それぞれに剣や槍を振るっていた。

「…」
「リツ」
リツは今度は、すれ違った彼らに何も言わなかった。
ただ上目遣いにリツの顔を見上げると、彼女の瞳が、ほんの少し潤んでいるように私には見えた。私はそんな彼女の様子を見ても何も言えず、ただギュッと彼女の背中に両手を回すことしかできなかった。

***

思わぬ仲間の援護で、正門近くまで来ることはできたとはいえ。
他の騎士や兵士たちの妨害は、一向に止まない。

「あー、もう面倒くさいわねえ」
前を走る神官騎士が、イラついた声でそう言いながらも、剣を振りかざしつつ馬を進めている。
もちろんリツも馬首を翻して、それらから逃れながつつ馬を走らせていた。
「リッちゃん、こっち!!」
横から声がかかった。
「ユイ!」
「ここまで来て!」
馬の後ろにつこうとする兵士をなぎ倒し、リツは声がする方へと馬を向ける。
深い夜の闇を払うように、兵士たちが手に持つ篝火が辺りを照らしている。
黒馬はその光を背に受けながら、馬蹄を高く響かせ庭園や噴水の間を、素晴らしい速さで通りぬけて行き正門を目指していた。

正門まで後、もう少し。
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