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追憶の紋章 【13】 王都脱出 -05-

Category : 追憶の紋章【13】
「な、何を戯言を!姫!どうか馬から…」
「…申し訳ありません」
私は一度軽く頭を下げながらそう言って、近衛隊長の声を遮った。

私はずっと戻りたかったんです。
幼い頃に過ごしたあの場所へ、いえ、…リツの元へ。

私たちを取り囲む近衛騎士や兵士たちの視線を感じながら、私は静かな口調でそう言った。
私の言葉に、僅かに動揺するかのようなざわめきの声が上がる。

「しっかり捕まっていろよ」
やや呆然とする周囲の中、リツはそう言うと足で馬の腹を蹴った。
黒馬は動揺している兵たちの間を抜け、また勢いよく走り出す。
追えー!と後ろから命令する声を聞きながら、私は目をつぶり必死にリツにしがみついた。
どうかもっと早く走って、黒馬よ。
そう願っても後ろから聞こえてくる、たくさん馬の蹄の音はどんどん近くなっていく。

思わず目を開けると私のすぐ側まで騎士たちが迫っていた。
その内の一人が、持っている剣をリツに振りかざそうとしている。
「リツ!」
私の叫び声を無視して、リツの頭上に振り下ろされる剣。
だがそれより一瞬早く、別の剣によってリツの頭上に剣が降りるのを阻止された。
私の耳元で、金属がぶつかり合う音が鳴り響いた。

「サワコさん!」
リツがサワコと言ったその人は、神官服を着た女性だった。
「こっちよ、早く!」
彼女は馬上からそういうと、私たちの前を走り出す。
この人は神官騎士…?なぜ私たちを…?
私が疑問に思う間にも、後ろから別の騎士の剣がリツに襲い掛かってくる。
…しかしまたもや横から馬に乗った別の騎士が現れ、その剣を受け止めた。

「え、なぜ…?」
私たちを助けれてくれた騎士を見て、リツが驚いた顔をしていた。
リツや私より少し年長の男性が、こちらを見て二カッと不適な笑いを浮かべている。
「いいから早く逃げろ!これでドラゴンと戦ってたときに、うっかり弱音吐いちまった件はチャラにしてもらうぜ!」
彼はそう言うと、後ろからくる槍を持った兵士に馬上から蹴りを入れて倒した。
「き、貴様、命令に逆らうか!」
突然現れ逃亡者を助けようとする近衛騎士に、私たちを捕まえようとする別の騎士が声をはり上げた。

その問いに答えたのは、私たちを助けてくれた目の前の騎士ではなかった。
他にも数人の近衛騎士と兵士たちが続々と現れ、私たちを守るように取り囲んでいく。
「な、なんだお前たち!お前達も逆らう気か!」
「まあ、そうなるのかな」
「王女殿下をもらい受けるのが、ドラゴンを退治した騎士の唯一の望みなんでしょ。一国の王なら約束を守らないとね」
騎士や兵士たちがそれぞれに、剣や槍を奮いながらそう答える。
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