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追憶の紋章 【12】 茨の道 -07-

Category : 追憶の紋章【12】
***

「ミオ、これから私が話すことをよく聞いて」
私はそう言うと、ミオから少し離れた。
いつまでもこうして抱き合っていたいが、事態はそれを許さない。
「…何?」
ミオも涙を一生懸命堪えながら、私を見つめてくる。
「私はこの国を出る」
「…え」
「もう私は騎士なんてうんざりだ」
王国の近衛騎士になって、王女であるミオにもう一度会う。
それだけの為に戦にも行った、たくさんのモンスターを退治し、ドラゴンとも戦った。
それは全てはミオと一緒にいたかったからだ。でも…。

「…リツ」
「このままだと、ミオは隣国の王妃になる」
私がそう言った瞬間。ミオの顔にさっと、悲しみの表情が浮かぶと同時に、私の袖を握るその手に力が込められた。
彼女のそんな様子を見ながらも、私は少し考えてしまう。

いずれ国王となる王子の許に嫁ぎ、その後一国の王妃になる。

王の言う通り、確かにそれはとても素晴らしい事で、もしかしてミオにとっては、そちらの方が幸せな事なのかもしれないけれど。
それでも私は、ミオを簡単にあきらめるつもりにはなれなかった。

「ミオ」
私はミオの肩にそっと手を掛け、じっと彼女の黒い瞳を見詰めた。
「…私と、私と一緒にこの国を出ないか」
この国を出て、どこか別の場所で二人で一緒に暮らそう。
「リツ…」
突然の私の質問に、ミオは少し驚いたようだった。
「…きっと苦労すると思う」
ここに残れば王女として、さらに王妃となって何一つ不自由のない生活が出来るだろう。
飢えの心配もないし、寒い冬に薄い毛布一枚だけで凍えるような思いもすることもない、裕福な生活。

「ミオが王女としてここに残ると言うならそれでもいい。私は一人で行くよ」
もしかしてその方がいいのかもしれない。黙って私は一人でここを出て行くべきだったのかも。
それでもどうしても一度ミオに聞いてみたかった。
私と一緒に居る方を選んでくれるかどうか。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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