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追憶の紋章 【12】 茨の道 -06-

Category : 追憶の紋章【12】
「…聞いたのか」
「やっぱり施設はなくなったんだね。ムギからも教えてもらったけど…」
リツが知っている事を確認した今、ますます施設の皆へ申し訳なさが募る。
私さえあそこに居なければ。
たとえ貧しくとも、皆バラバラに別の施設に移されることもなかったはずなのに。

「私のせい…だ」
「違う、ミオ。それは違う」
誰のせいでもないんだ。仕方なかったんだよ、と言ってくれるリツには申し訳ないけれど。
仕方がないことはないと思う。王女である私の体面を保つためだけに、父がそんな強引なことをしていたなんて、私は夢にも思わなかった。
王宮に連れてこられてから今日まで、けっして完全に心を許していたわけではないけれど。
少し大きくなった今では、王としての立場はけっして崩さなくても、父は父なりに私を想い、優しく接してくれていると気付いたのに。…お父様。

「確かに陛下は施設を無くしてしまったかれど。陛下は施設に居た皆には、それなりに援助してくれたみたいだ」
「…え?」
「園長先生も王都から少し離れた街で、同じような施設を運営しているらしい。他の皆も…別の施設に移されたけど元気にはしてるみたいだ」
前に伯爵がいろいろ調べてくれたんだ。
また泣きそうになっている私の様子を見て、リツは私の心を軽くしようとしてか、少し微笑みながらそう教えてくれた。

「でも…」
「いまさら言っても仕方ないことだよ、ミオ。それにさっきも言ったけど、施設が無くなったのはけっしてミオのせいなんかじゃない」
だからもう気にするな。
リツは強い口調でそう言うと、私をまた軽く抱きしめてくる。

「リツ」
「そして私が軟禁されたのも、もちろんミオのせいなんかじゃない」
「…」
リツが捕まったのは私のせい、と己を責めていた私の気持ちをすでに察しているかのように、リツはそう言って私の体を抱きしめる。
「さっきも言ったけど、私は陛下を襲ったりなんかはしていない。裏でいろいろな問題があって、それに巻き込まれてしまった」
「問題って…」
「それは後で説明するよ。今はもうこれ以上話をしている時間はない」
とにかく今はゆっくりと、二人きりの再会を喜びあっている場合じゃないようだ。
私はリツの切迫した口調から、それを理解する。
リツは軟禁されていた部屋から、何らかの方法で脱出したようだったけど。

一体これからどうしようとしているのだろう。
彼女の腕にしっかりと抱かれながらも。
外から鳴り響く爆発音を耳にしながら、次々とくる予想もしていなかった事態に。
私の心は驚きとこれから不安で、ただ乱れていくばかりだった…。
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ジャンル : 小説・文学

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