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追憶の紋章 【12】 茨の道 -05-

Category : 追憶の紋章【12】
「ミオ」
「リ、リツ…」
「お迎えにあがりました、我が只一人の姫君」
リツは頭を下げながらちょっぴり冗談めかした口調でそう言うと、手を胸に当て騎士としての礼儀を示した。
「リツー!」
ミオは私のすました態度など気にせず、思いっきり抱きついた。
「ミオ」
リツはしっかりと私を受け止めてくれて、抱きしめ返してくれる。
彼女の身に纏った簡易な鎧が邪魔だと思った。もっとリツを感じたいのに。

「リツ、リツ」
「ミオ、会いたかったよ」
「私も、わ、私…」
私は今の気持ちを必死になってリツに伝えようとしたけれど、こみ上げてくる涙が邪魔してうまく話せなかった。
「…いいよ。無理に話さなくていいから」
リツはそう言いながら、私の髪に優しく触れてくる。
「相変わらず泣き虫だな、ミオは」
幼い頃、施設でちょっとからかわれたり、意地悪をされるとすぐに泣いていた私。
大きくなった今も、私はやっぱり泣き虫だ。でも今私が泣きそうなのは、悲しいからじゃない。

「ぶ、無事で良かった。お父様が急にリツの話をして、それで…」
「もうそれはいいんだよ、ミオ」
リツ私から少し体を離すと、私の頬に流れる涙をそっと指ですくう。
「せっかく無事に帰ってきてくれたのに、いきなりリツがお父様を襲おうとしたとか…もう意味がわからないよ!」
本当にいろんな事がいきなり起きて、私はずっと混乱していた。
さっきまでずっとどうすればいいか…と必死に考えていたのだから。

「私はそんな事はしてないよ」
リツはそう言って私を落ち着かせようと、優しく私の頬に手を添える。
「わかってる」
頬に添えられたリツの手を触れながら、もちろん私はそんな事は一つも信じていないと彼女に伝える。私の言葉にリツは少し笑った。
「信じてくれてありがとう。…でも心配かけてごめん、ミオ」
「…リツ」
ふいに顔を俯かせて力なく彼女の名前を呼んだ私に、リツは優しく「どうした?」と聞き返してくれた。

「リツは…施設の事を知っていたのか?」
「え?」
「施設が、私たちが過ごしたあの場所はお父様が…」
「…」
リツが一瞬目を細める。
ほんの少し、私から視線を逸らして小さな溜息を吐いた。
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