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追憶の紋章 【11】 王女の苦悩と騎士の決断 -10-

Category : 追憶の紋章【11】
「リッちゃん、ここから逃げる気なら手伝うけど?」
思い出す作業をあきらめたのか、一人考え込む私の手の内を読んだように、ユイがどこか楽しそうな表情を浮かべてそう聞いてくる。
「…一人では行けない」
そうだ。ミオを置いてはいけない、いや、私が離れたくないんだ。
私は心の中で強くそう思うと同時に、目を閉じて今までのことを思い出していた。

兵士になっていろんな戦場で戦ったこと…。
近衛騎士になってミオと再会したこと…。
誰もが認める功績を得るために志願したドラゴン退治…。

走馬灯のようにいろいろな情景が脳裏に浮かぶ。
様々な記憶を思い出す中で、月の光で輝くミオの姿が最も鮮やかに浮かび上がった。
…ミオ!

「この国の王女をさらう」
もう、我慢する気はない。私はそう決意した。
もしかして隣国の王子の許に嫁いだほうが、ミオにとっては幸せなのかもしれない。だけど…。
「へえ、そう」
私の言った言葉の重みなど、たいした事でもないかのように答えるユイ。
「意味わかってる、ユイ?」
「ん?うん、もっちろん~」
どうなんだか。ユイののんびりとした態度には、毎回ちょっと苦笑させられる。

…そう言えばドラゴンはあの石によって、騎士との意思疎通を図っていた、とユイは言っていたけど。だが、それは友好的なものだったのだろうか?あの石によって自分の意思とは別に、強制的に精神を支配されるような、強いられたものだったのではないだろうか?
ふと私はそんな事が少し気になって、ユイに尋ねてみた。
「…どっちもかな」
「どっちも?」
「騎士と心を一つにして共に戦った竜もいれば…」
「…そうでないものもいたわけか」
少し言いよどむユイの言葉を、私が引き継いだ。

人であろうが、モンスターであろうが、もちろんそれが最強のドラゴンといえども。
その者の意思を無視し、精神を強引に支配するなんてことは絶対許されていいはずがない。
今の私は、それをひどく痛感させられる。

たとえ王家に忠誠を誓った王国の騎士といえども、私の意思や心を誰かから強制的に支配されたくはない。ミオもそうだ。王女といえども、彼女の意思は彼女のものだ。
王族だからといって、王や国から強制や支配されていいはずがない。

「いろいろ教えてくれてありがとう、ユイ。私は…」
とにかく私のもう心は揺るがない。王女だろうが、王族だろうが。
他人の思惑や勝手な都合に振り合わされるのは、もううんざりだ。

ミオを連れて、ここを出る。
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