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追憶の紋章 【11】 王女の苦悩と騎士の決断 -09-

Category : 追憶の紋章【11】
自ら選択したのか、それとも自然に力尽きたのか。
「…それはわからないけれど、ドラゴンのほとんどはもう人知れぬ場所で深い眠りについていて、後は死んでいくだけだから」
そう言ったユイの顔は無表情だった。いつもはほんわりとした笑顔を浮かべている彼女とは思えない、なんの感情も読み取れない表情。
ユイは静かに眠りながら朽ちていくドラゴンたちに、深く同情しているようだった。

「リッちゃんはあの石を、王女様から渡されたから」
王女様の祈りが真実だから、石が青く輝くんだよ。
ユイの言葉に私はドラゴンと戦った時の事を思い出す。
確かに槍先に入れた石は、青く輝いていた。
「私はそれにちょっと便乗させてもらって、あのドラゴンの意識に入らせてもらっただけ」
「…いや、ありがとう」
ユイが居なければ、あのドラゴンとの死闘はまだ続いていたかもしれない。
私はひょんな事から知り合った、この能天気なように見えて豊富な知識を持つ魔法使いに出会えた幸運を、心から感謝していた。

「それにしても、ユイは本当にいろいろよく知ってるんだなあ」
あの石の事も、すぐにわかったわけだし。
「え?ああ、それはねえ。えーと、…むかーし誰かに、なんかあの青い石の事を詳しく聞いたような…」
その誰かを思い出そうとしているのか、腕を組んで「うーん」と考え込むユイ。
「…思い出せそうか、ユイ?」
「うーん…、ちょっと今は無理かなー、いや、でも、気になるー。思い出したーい」
「ま、頑張って下さい」
私は苦笑交じりに、適当な応援を彼女に送った。

いまだ必死に思い出そうとするユイの事は、私は一時放っておくことにするとして。
ユイにはずしてもらった縄の後が残る手首をさすりながら、私は考えていた。
ユイの話は興味深いが、今の私にとっては青い輝石の過去の話は二の次だった。

まずは私がこれからどうするか、だ。
王の思惑も、魔法士たちの訳のわからない研究も。私にはどうでもいいことだ。
だがこのままでは、王は私の身柄を今後どうするかわかったものではない。
王女の過去を知り、魔法士たちの失敗を知っている私を黙って見過ごすとは思えない。

赤枝の紋章を持つ王国の近衛騎士。
ドラゴンを倒したドラゴンスレイヤー。

そんな肩書きなど、王の一存で吹き飛んでしまうのはもう理解できた。謁見の間でみせたあの強引なやり方で、今後どんな冤罪を持ってくるかわかったものじゃない。
もうここには居られない。
私はそれをはっきりと理解していた。そして居たいともまったく思えなかった。
ただこのままでは、ミオが…。
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