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追憶の紋章 【11】 王女の苦悩と騎士の決断 -08-

Category : 追憶の紋章【11】
***

ドラゴン討伐の論功行賞の場から一転、訳もわからぬままに部屋に軟禁されてしまった私。
突然の事態に私はどこか身の危険を感じながら、今後どうするかと考えていたとき。
見張りの衛兵など居ないかのように、自然に監視されていた部屋に入ってきたユイから、王の思惑や魔法士たちの失敗など、私は思いもよらなかった話を聞かされた。

ドラゴンが街を襲った理由。
それをユイから説明された私は、しばらく何かよくわからない喪失感みたいなもので、胸が一杯になっていた。だがいつまでも、そんな気分でたそがれている場合じゃないって事くらいは、ちゃんと現状を把握していた。
「ユイ」
「何?」
「あの青い石は今もちゃんと持っててくれてるよな」
「もちろん。アズにゃんがね」
「…まあ、ちゃんと管理してくているんなら、それでいい」
帰ったら石はすぐにミオに返すつもりだった。
だけど、今となってはどうしていいか、少し複雑な気持ちだ。
第一、この部屋に捕われの身では、ミオにどうやって会えばいいのか。

「…昔はあの石を使って、竜と意思疎通を図る騎士がいたわけだけど」
石の管理は、いつも女性の神官の役割だったそうだよ。
深く考え込む様子の私を気にもとめないように、ユイがまた昔話を語りだす。
その視線は空中をさまよい、どこか空ろだ。
彼女はすぐに綻んでいく自分の記憶を、なんとか繋いで思い出しているようだった。

「あの石はね、ただ持っていても魔力は発動しないん…だったと思う」
そこが古代の魔術師たちの、研究の限界だったんだよねー。
目を閉じて話すユイの表情は、どこか楽しそうだ。
「持っているだけじゃ、駄目なのか…」
私の問いかけに、ユイはゆっくりと一つ顔を頷かせた。
「騎士となる者に石を渡す乙女の祈りを通して、初めて石の力を発揮するんだよ」
「祈り…」

渡す者の祈り、ミオの祈り。

確かに戦いの最中、私は感じていた、ミオの祈りを。
彼女が私のすぐ側に居てくれているような、そんな気がしていた。

「…ある意味リッちゃんは竜騎士の資格を得た、選ばれた騎士かもね」
祈りの乙女と、青い石を持つ者。その二つが竜騎士の証。
「リッちゃんはその二つを手に入れているからね」
「はぁ。まあ、でも…」
もう騎士を乗せる竜そのものが居ないのだから、あんまり意味ないと思うけど。
「まあ、…そうだね」
何気なく言った私の言葉に、ユイはほんの少しだけ複雑そうな表情をしたけれど、すぐにいつものふにゃとした笑顔を浮かべる。

「それに別に私は竜騎士なんて…」
…でも竜に乗る騎士か。ちょっと格好良さそうだけど。うーん、でもやっぱいいや。
「あんな恐ろしいドラゴンを操って戦うなんて、遠慮したいかな」
私の率直な感想に、ユイはどこか納得したように「うん、うん」と頷いている。
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