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追憶の紋章 【10】 真実とそれぞれの思惑 -08-

Category : 追憶の紋章【10】
何百年も昔、この大陸を一つにまとめていた帝国があった。
その帝国の中にあって、礼節と強さを兼ね備えた最強の騎士たちが揃っていると讃えられた騎士団があった。

竜騎士団。

竜の背に乗りその上で剣や槍を奮う、無類の強さを誇った騎士団。
彼らが活躍していた時代は、同時に帝国の最盛期でもあった。
しかしいつしか竜と、その竜に乗る騎士が減っていくと同時に、帝国の力も弱まり分裂していった。

「今、いくつかに分かれている国は皆、巨大だったその帝国が分裂した後で、それぞれに小さくまとまっていった国なんだよ」
帝国貴族の一人だった者が建てた国もあれば、商人たちが結束して出来た商業都市。
他大小の公国や諸領がある中で、私たちが生きるこの大陸には、現在不安定ながらも微妙な均衡を保つ三つの国が建てられた。

「この国もその一つ」
「…」
「ま、それはそれとして。とにかく竜と竜騎士がどんどん減っていっちゃったんで、あの石もあまり用をなさなくなっちゃったんだよね」
「あの石は一体…」
「一種の魔法石なんだけど。古代の帝国の魔術師たちが、あらゆる生命の精神を支配しようと思って作った石」
「支配…」
生命の精神を支配する石。
私の内心にひどい嫌悪感が吹き出てくる。誰かを無理に支配しようとするなんて…。

「まだ神話の中に居るような時代だよ。人の力だけでは生きるのが難しい時代」
強力なモンスターもいれば、巨大な魔力を持った邪悪な魔法使いもいる世界。
「非力な人間がそれらに対抗するために、研究された内の一つがあの石なんだよ」
ま、とはいってもね。古代の魔術師たちも、それはそれは研究を重ねたみたいだけど、完璧には出来なかったみたいだね。
腕を組み、少し小難しい顔をしながらユイは話す。

「でも、ある程度なら成功したわけ。それが竜との意思を図り、竜に乗って戦う竜騎士団を生む結果になったから」
確かに、モンスターの中でも最も強いとされるドラゴンと共に戦えるなら、これ以上に心強いことはないだろう。ついこの間戦ったばかりのドラゴンの凄さを思い出して、私は少し身震いする思いだった。

「リッちゃんがあの石をドラゴンの口の中に入れてくれたおかげで、私はあのドラゴンの意識に直接話しかけてみたよ」
「話を?」
「そう。…でもね、駄目だった。あの子はもうほとんど意識もない状態で」
あの石を使っても、満足なコンタクトは取れなかったよ。
「…」
「だから、私はあの石を通して、ちょっと強引にあのドラゴンの意識に入ったんだ」

そしてまた深い眠りに誘ったの。意識も無意識も関係ない、深い眠りに。
もう他の誰も干渉を受けても目覚めないくらい深く。

「…それでようやくあのドラゴンは、本当の眠りにつけたんだよ」
そう言った時のユイの表情は、ドラゴンが洞窟の中で倒れてしまったときにみせたものと同じ、悲しい様子だった。
「ドラゴンは槍を突かれても、剣を刺されてもそう簡単には死なない、しぶとーい生き物なんだよねぇ」
本当に神聖で神秘の存在なんだから、彼らは。
ユイはさっと表情を変えると、ニッコリと笑って私にそう言った。
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