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追憶の紋章 【10】 真実とそれぞれの思惑 -05-

Category : 追憶の紋章【10】
「じゃあ今回の件は、魔法士たちがドラゴンを制御する事に失敗した為に…?」
「…そうですね。ユイさんはそう推測していました」
アズサちゃんの少し呆れた様子の声に、私は一つ溜息を吐いた。
そしてその結果。街はドラゴンに襲われ甚大な被害を受け、さらにオークやゴブリンの侵入まで許してしまい混乱の中、多くの人が亡くなってしまった。

「そんな事が王弟殿下にバレたら、陛下としてはまずい事になるでしょうね…」
アズサちゃんの話を聞いた私は、顎に少し手を添えながらそう呟いた。
次の王位を我が息子へ、と願う王弟殿下から攻められる格好の材料になってしまう。

それでなくとも王弟殿下は、魔法嫌いと知られていた。
王弟は魔法士たちの活用に力を入れている兄である現国王と違い、戦は騎士や兵士の軍隊の充実こそが一番、と常日頃言っている。
今回の件が魔法士たちの失敗と知れたら、王弟殿下は嵩にかかって、その魔法士たちを登用した陛下を責めたてるに違いない。陛下としては魔法士たちに全ての責任を負わせて、自分だけは逃げるという訳にはいかなかった。

「リツさんが『魔法石』を持っていたんで。それを使ってユイさんがドラゴンの意識に入って、また眠ってもらったんですけど」
ドラゴンが倒れた後で、ずっとその周りに魔法士たちがいましたからね。
「まだ何か企んでるのかなあ」
考えている様子のアズサちゃんを、私は少し驚いて見つめ直した。

「魔法石…?」
「ええ。青色の綺麗な石です」
「え!?それはもしかして王家の秘宝の…」
「そうみたいですね。私も王家の伝説を書いた本を読んで、初めて知りましたけど」
「そ、それは今、どこに!?」
「え、あー、私が持っていますけど…」
「え?今、持ってるの?」
「ええ…。正確にはリツさんが持っていたものを、ユイさんが一時的に預かったんですけど…」
無くしたら大変だから、アズにゃん持ってて…とユイさんに頼まれまして。
アズサちゃんはそう言うと、小さく呪文を唱えた。すぐに彼女の手から青い光が漏れ輝く。
「これですけど…」
「…」
私が見つめる中、彼女の手の中で光る青い石は徐々にその輝きを消していった。

「…ムギさんはこの石の事をご存知なんですか?」
青い石を話を聞いた途端、少し取り乱した様子を見せる私にアズサちゃんが少しだけ首を横に傾げながら、そう聞いてきた。
「ええ。よく知ってるわ。これは、この石は…」
私はアズサちゃんの手から、そっと青い石を手に取る。
手に持った瞬間、私の頭の中にもう遥か昔と言っていい記憶が、鮮やかに蘇ってきた。
そうあれは、…今からもう約百五十年以上も昔の事。
「この石は…私が今の王家の始祖となる一人の騎士に渡した石だから…」
「え?」

騎士に青い石を渡した祈りの乙女は…私自身だから。

「………………えー!!」
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