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追憶の紋章 【10】 真実とそれぞれの思惑 -03-

Category : 追憶の紋章【10】
泣き出したミオちゃんをなんとか宥めた後。
一旦王女の部屋を出て、すぐ隣にある私の部屋に戻ってみると、部屋に置いてあるソファの上に、一匹の黒猫がゆったりとした様子で横になっていた。
「…アズサちゃん?」
「お邪魔してます、ムギさん」
猫がそう言ったかと思うと、ポンと小さな音をたてて白い煙が上がった。
すぐに煙の中から十五、六歳くらいの黒髪の少女へが現れる。

「久しぶりね、アズサちゃん」
「本当ですね」
久々の懐かしい友人との再会に、私は頬を緩めた。
「ユイちゃんはこの間、祝宴会場の中で見かけたから、アズサちゃんもきっと来ていると思っていたわ」
二人はいつも一緒で、ワンセット。
忘れっぽい魔法使いと、しっかり者の助手ならぬ保護者。

「それにしてもどうして二人がここに?」
「それを今日お話するつもりで来ました。それにこちらも聞きたいんです、ムギさんはどうしてここに?」
「とにかくちょっとそこに座って。今、お茶を入れるからゆっくりそれを飲みながらお話しましょう」
互いがこの王都に居る理由を説明するのには、少々時間がかかりそうだ。
私は落ち着いて話をする為にも、久しぶりにあった彼女にお茶を入れてあげる事にした。

「すいません、お言葉に甘えて頂きます。あ、でも、なんだか嬉しいです」
ムギさんが入れてくれた紅茶を飲むなんて、久しぶりですから。
嬉しそうな表情をして、彼女はそう言ってくれる。
確かに本当に久しぶり。どれくらいだろう、ざっと「五十年」振りくらいかしら…。
「うふふ。頑張って美味しく入れるわ」
「ありがとうございます」
古い記憶を少しずつ思い出しながら、私はお茶の用意を始めた。

***

詠唱を唱えて、魔法を自由自在に駆使する。
そんな魔法使いは、昨今その数をどんどん減らしていく一方だった。
人が本来持つ魔力がどんどん減っているから、とも言われていたりするが。
その原因は、まだよくわかっていない。

王家に仕える宮廷魔法士たちは、簡単な魔法ならまだ多少は使えるようだが、現在どちらかというと魔術研究者としての一面が強い。
魔法を実際に使う者というより、魔術を研究する者といった処か。
そんな魔法士たちも、何人かは私と同じように討伐軍に参加していた。
彼らは戦いの際、騎士や兵士たちの後方サポートとして配置されていたが、戦力としてはそれ程期待されていなかった。実際彼らは戦闘の際には、後ろに控えていただけで、さして何かしていたという記憶は私にはない。
彼らは基本的には、作戦参謀的な仕事を与えられているのだが、会議中ドラゴン相手に有効な策を出すということもなかった。

そんな彼らはドラゴンが倒れた後、急に威勢良く前に出てきたかと思うと、ドラゴンの生態を研究をするためだとか言って、今後の洞窟内の立ち入りを禁止すると勝手に宣言してしまった。
「王の許可も持っている」
尊大な口調でそう言うと、口に槍と腹に数本の矢が刺さったまま倒れているドラゴンの周りを囲むようにして、なにやらひそひそと話をしていたような気がする。

戦いの際は危険から避けるように、後ろに引っ込んでいた魔法士。
だがドラゴンが倒れされると、急に偉そうにこの場を仕切り出したので、戦闘に参加した者たちは皆多少腹立だしい気分だったが、勝利の余韻が小さな不満を吹き飛ばしていた。
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