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追憶の紋章 【10】 真実とそれぞれの思惑 -01-

Category : 追憶の紋章【10】
「ふう…」
縄でしばられた両手を見つめながら、私は一つ溜息を吐いた。
私が軟禁されたここは決して粗末な部屋ではなく、今腰を降ろしているベットも触り心地のよいシーツが引かれた豪奢なものだ。
先程兵士が持ってきた食事も、充分に食欲を満たしてくれる味だった。
拘束されていても、その対応はけっして乱暴なものではない。
しかし外では厳重な監視の目が光っていることは、容易に想像できた。

「陛下はなぜ突然あんな真似を…」
王が今はこの国の姫であるミオの過去を知る者がいることを、快く思っていない事は施設の件もあって前からわかっていた。王女の過去を知る私は、ドラゴンを倒した英雄と言えども、陛下にとっては煙たい存在なのだろう。しかしそれにしても乱暴なやり方だ。
だがさすがに国王は今すぐに、一応ドラゴン退治の功績がある私を、どうこうするつもりはないかもしれない。

しかしミオと引き離す為にも、いずれはなんらかの手段を取ることは間違いない。
たとえ多大な功績があっても、…ここに長居する事は危険だ。
過去の数多の戦いに参加した経験が、私の頭の中に危険信号を出している。
ここには他国の兵や恐ろしいモンスターは居なくても、別の危険が迫っていると。

- どのような状況でも冷静に、今できる事は何か常に考えよ。

伯爵の教えは、私は体に染み渡っている。
「やれやれ」とぼやきながらも、さて、これからどうするかと私は考えを巡らせていた。
やはり何とかここから脱出しなくてはならない。…だが一人では意味がない。
「ミオ…」
思わず呟いた最愛の人。私の只一人の姫君。

「ミオさんって、この国のお姫様だよね~」
どこかで聞いたことのある声に、私はハッとなって顔を挙げて戦う構えを取る。
それは戦場に長く居たせいもあって、もう習性になっていた。
「私だよ、リッちゃん」
「え、…ユイ!?」
「やっほー、大丈夫?」
ドラゴンとの戦いで共に協力し、凱旋パレードの最中、契約書を交わした魔法使い。
私と同じ年くらいにしか見えない、どこかほわほわした雰囲気の少女。

「どうやってここに?」
「別に。そこのドアから入ってきたんだけど」
のほほんとした口調でそう言うユイ。
部屋の外には私を見張る兵士が、数人立っていたはずだけど…。
「ちょこーと忘れてもらったの」
「忘れる?」
「私は忘却の魔法だけは得意なんだよね」
妹はどんな魔法でもできるけどね~。
能天気な声でそう言うユイを見ていると、私自身もここがどこだが一瞬忘れそうになる。
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