スポンサーサイト

Category : スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

追憶の紋章 【9】 王との対話 -10-

Category : 追憶の紋章【9】
ミオちゃんの話を全て聞いた私は、状況がかなりまずい事を理解した。
思わず眉間に皺を寄せて考えてしまう。
「陛下に、リッちゃんの事がばれてしまったわね…」
それにしても隣国の王子の許へ行けとは、また急な。
しかし王が急にミオちゃんの縁談を急がせた理由は、私には大体推測できていた。

「ムギ、…お父様は私に嘘を吐いていた」
「え?」
「私が育ったあの施設…」
私が幼い頃を過したあの施設は、これまで以上に支援するから昔の事は忘れろ。
…そう初めて会った時に父は言っていたのに。
「嘘だった!施設はもう無くなって、皆バラバラになっていたなんて!」
「…」
顔を俯かせ体を震わせる彼女に、私はなんと言って声を掛ければいいかわからなかった。
とうとうばれてしまった…その思いが私の表情に出てしまったのかもしれない。
ハッと気付いた時には、ミオちゃんが私の方を訝しげに見ていた。

「ムギ、まさか…」
「ミオちゃん」
「まさか知ってたの?施設の事…」
「…ごめんなさい」
確かに私はもうその事を知っていた。
彼女と会ったばかりの頃だ。一度だけでもいいから街に行きたいと願う彼女の力になれないかと、考えていたある日。
なかなかその機会を得られなかった私は、とりあえず彼女の言っていた施設に赴き、今どんな様子をそれとなく見てみようと思い、休みの日にこっそりと街へ出て施設に向かった。

だがもうそこには何もなかった。更地となった施設跡が静かに残っているだけだった。
その事実を知った私は、その後実は彼女を街へ連れて行く機会が何度かあったにも関わらず、その度に私は彼女に誤魔化し嘘を吐いたのだ。
「ごめんなさい。どうしても言えなかったの…」
彼女が街に出て、施設のあった場所に行くことがあれば、真実を知って彼女がどれ程悲しむか。私はそれを恐れた。

「…いいよ」
ミオちゃんは嘘を吐いていた私に対して、責めるような言葉は少しも言わなかった。
それが私には辛かった。もっと怒ってくれて、責めてくれてもよかったのに。
「…本当にごめんなさい」
「本当にいいんだ。ムギが私の事を思って黙ってたってことくらい、わかるよ」
「ミオちゃん」
「きっとリツも、もう知ってるんだろうね…」
「…」
確かにリッちゃんも施設の事は知っていた。そしてそれはけっしてミオに話ないで欲しいと、私は頼まれていたのだ。
関連記事

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

Comment

非公開コメント

プロフィール

書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
こちらはけいおん二次創作SSサイトです。

ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

当サイトはリンクフリーですのでリンクをしていただけると嬉しいです。相互リンクもよろしければ大希望です。

当サイトはまんがタイムきらら原作、アニメ「けいおん!」中心の非公式サイトです。
原作者様、出版会社様、制作会社様とは一切関係ありません。

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
けいおん時計
リンク
ランキング

FC2Blog Ranking

RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。