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追憶の紋章 【8】王都帰還 -04-

Category : 追憶の紋章【8】
王宮に戻った我々を、盛大な祝宴が待っていた。
近衛騎士として王宮内に勤めていても、普段は滅多に接することのない上級貴族たちも、こぞって祝宴に集まっていた。音楽隊が奏でる音と多彩な料理の中、列席者はみな華やかに服を着飾り、楽しげに談笑している。
騎士団だけでなく、ドラゴン退治や街に侵入したオークやゴブリンを排除する戦いに功績のあった者は、皆この祝宴の中に居た。

ユイももちろん出席していて、アズサに「もっとお行儀よく」と嗜められながらも、テーブルに置いてある料理の数々を充分に堪能しているようだ。
近衛騎士の正装に身を包んだ私はと言うと、次々に貴族達に話かけられ料理を食べる間もなかった。ドラゴンと正面きって戦った私に、興味一杯の表情を浮かべて話かけてくる貴族のお歴々をどうにか交わしながら、私は周囲に目を配った。
この祝宴には王も出席されることは聞いていた。ミオもくるだろうか…。

ほどなくして王の到来を告げるラッパの音が高らかに鳴った。
王は幼い王子を隣に連れて、祝宴会場へと入ってきた。
二人の後ろには…居た、ミオだ!
清楚な白いドレスと頭上にティアラを輝かせる彼女は、一国の王女に相応しい美しさだ。
私は彼女の姿に見とれながら、久しぶりに会えた喜びで心震えた。

王は部屋の中央に行き、従者からシャンパンを受け取った。
「勇者たちよ」
手に持ったシャンパンを軽く上にあげる王。
「困難にも負けず、見事我が国の脅威を消し去った、誇り高き勇者たち。今日は存分に食べ飲んでその疲れた体を休めるがよい」
招待されていた騎士や兵士が王に向かって頭を下げる。周囲から巻き起こる拍手の波。
「今日は無礼講である。余も今日は勝利の美酒を味あわせてもらおう」
そう王が言うと、その場はまた緩やかな空気が流れた。王の言葉を聞く為に静まっていた部屋にまた喧騒が戻る。
王は王女に何か話しかけていたが、しばらくして王子を連れて別の貴族と話を始めた。
王女は次々に挨拶をしてくる貴族たちに会釈を交わしながら、そつなく対応している。

「リッちゃん」
「…あ、ユイ」
「どうしたの、ボゥとして」
「いや…」
つい王女を…ミオの姿を見詰めていた私は、ユイの声を聞いて慌てて視線を逸らした。
「ボゥとしてる場合じゃないよー、リッちゃん」
さっきからあちらにいる貴族のお嬢様たちが、リッちゃんに話しかけようって狙い定めてるよ。
ユイはお嬢様方が居る方に時折目を向けながら、ひそひそ声で私に教えてくれた。

「…面倒だな」
私はユイが言った方に視線を向けぬように気をつけながら、一つため息を吐いた。
「そうなの?貴族のお嬢様たちと仲良くしておいた方が、何かと王宮内で便利なもんだよ」
「ならユイがどうぞ」
てゆうかユイがなぜそんな事を知っているんだ?王宮に勤めた事でもあるのかな?
思えばユイの過去について、私は何一つ知らない。
領主が太鼓判を押してまで、討伐軍に加わる事を推薦してきた魔法使い。

「彼女たちは私には興味はないと思う」
「魔法の一つでも見せて、喜ばせてやればいいよ」
彼女がどんな過去を持ち、どれくらいの魔法が使えるか。
何一つ知らなくても私はこの能天気で忘れっぽい、でもいざ大事な場面ではしっかりと魔法を使えるこの魔法使いが結構好きだったし、信頼もしている。
だから大事な王家の秘宝である、青い輝石を彼女に預けたのだ。
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