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追憶の紋章 【8】王都帰還 -03-

Category : 追憶の紋章【8】
「何、これ?」
「誓約書だよ」
リッちゃんが望むことを全て叶えます、ていう誓約書。
ユイはそう説明を付け足した。

「はぁ?」
「リッちゃんの望みが何かは知らないけど、それを叶えるサポートをするよって意味」
「…望み」
「そう。なにかある?」
もちろんあることはある。だが…。
「まあ、…気持だけ受け取っておくよ、ユイ」
「いやいや、そう言う訳にはいかないんだよ~」
魔法使いっていろいろ制約があるんだよ、だからこの手の書類が大事でね。
「私だけでなく、大事な大事なアズにゃんの命の恩人でもあるリッちゃんにはぜひ、フルオープンの魔法を使ってサポートしたいんです」
「フルオープンてのが、どういう意味だか…」
私は話がさっぱりわからなかったけれど、あまりにもユイが熱心にお願いしてくるので少々考え始めた。

「…私の望みを叶えてくれる訳?」
「基本はその方向なんだけど、望みを叶えるのを全力でサポートする、が一番正しいかな」
人間の望み…てさ。結構はっきりしているようで、実はあやふやなものだから。
ユイは少し考えるようにしながらそう言った。

望み云々はともかく、私はふいにユイに預けている(実際にはアズサが持っている)王家の秘宝である青い輝石の事が気に掛かった。
ユイは私が言えばちゃんと石を見せてくれるだが、なぜかそれを私に返そうとはしなかった。
「まだ魔法の残滓があるから危険だよ」
そう言って彼女はしばらく預かるけど、必ず返すからと言っていた。

ユイを疑っている訳ではないけれど、多少の保険はかけておいた方いいに決まってる。
「この誓約書にサインしたら、ユイは私のどんな無茶な望みでも断れないのか?」
「基本リッちゃんの望みは、全て叶えるように全力で努力します」
「…まあ、いいよ」
私はユイに渡されたペンを持って、自分自身の名前を書いた。
紙を渡すとユイはそれをくるくると丸くまとめたかと思うと、とても大事そうに懐に入れた。
それにしても私たちは馬上で何をしているのだろう。

「…リッちゃん」
「ん?」
「ありがとう、信用してくれて」
「…」
私に御礼を言った時のユイは、本当に嬉しそうだった。
「リッちゃんが何を望んでいるかはまだ聞いていないけど、私は、ううん私とアズにゃんが全力でサポートするから」
「それはどうも。とにかく今の私の望みは、あの石をなくすような真似だけはしないで欲しいってことだよ」
「心配ないよ」
ユイはそれだけ言うと、手綱を取り馬を私から少し離して距離を取った。

後になって私はふと、魔法使いと誓約書を交わすなんてちょっと不用心過ぎたかな、と思いはしたけれど。私は共にドラゴンと戦った彼女を信じていたかった。
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