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追憶の紋章 【7】ドラゴンスレイヤー -07-

Category : 追憶の紋章【7】
次の日の朝。
私が隊長を勤める第二隊は、また忌まわしき洞窟内へと入っていった。
すでに全員口元には葉を噛み締め、毒に対応できるようにしていた。
洞窟内の中心に近づき、私たちは慎重に奥を覗き込んでみる。
中でドラゴンがじっと身動き一つせずに、蹲っているのを確認できた。

私は一旦全員を集め、昨日打ち合わせした通りの隊形を作る。
近衛騎士と兵士を前にし、後衛に弓兵と神官のサワコ。さらにその後ろに魔法使いのユイ、アズサといった感じだ。
「正面から倒そうと思わず、ドラゴンの気を引いて隙を作るようにしてください」
アズサが昨日と同じ事を、もう一度私達全員に告げる。
狙いはあくまでもドラゴンの弱点である腹の部分だ。
騎士の一番後ろで震えながらも、必死に剣を持っている殿下に私は少し視線を向ける。
殿下は私の視線に気付いたのか、引き攣りつつも何とか笑顔を作ってみせた。
「行くぞ」
私は全員に号令をかけた。

***

最初は死んでいるかと思われるくらい、身動き一つしなかったドラゴン。
だが私達の気配を感じたのか、急にヌっとその長い首を上げたかと思うとすぐに口から炎を吐いてきた。前衛の騎士たちが楯を並べて、最初の攻撃を防ぐ。
炎が治まるとすぐに、後衛の弓兵が矢を大量に飛ばした。
神官のサワコさんも、戦士を奮い立たせる魔法歌を唱え背後から援護する。
騎士と兵士はそれぞれ左右に割れ、さかんにドラゴンに近づこうとしても鋭い爪や尻尾の攻撃を交わすのに精一杯だった。

戦いが始まってからしばらくたつと、こちらの損害が目に見えてひどくなってきた。
第二隊に属する者は全て勇者といってよい強者たちだったが、思うようにドラゴンに近づく事も出来ず、ドラゴンを同じ場所から少しも動かす事ができない。
時折吐かれる炎は、楯を持っていない逃げ遅れた兵士たちの体を覆う。
その度に洞窟内に起こる複数の叫び声。
すぐにアズサが水の魔法を唱えて、彼らを炎から救ったがもちろん無傷というわけにはいかなかった。仲間がやられても、尚奮戦する近衛騎士や一般の騎士たちの戦いぶりは素晴らしかったが、いつまでもこのままでは結果は見えていた。
私も楯を出しながら、何度か剣をドラゴンのその体に当てたけれども、少しもダメージを受けている様子はない。

「駄目だ、ちっとも効きゃあしないじゃねえか!」
以前共に同じ軍務についた男性の騎士が、頭から血を流しながらやってられないとばかりに、吐き捨てるようにそう叫んだ。彼の声を聞いて、果敢に立ち向かっていた他の騎士や兵士たちも一瞬怯んで、攻撃の手を止めじりじりと後退し始めた。
…確かにあの鱗には、今ここにある剣や槍では太刀打ちできない。
私は陣形を崩さぬようにと指示を出しながら、頭の中で必死に考えていた。

ユイの言うように外からじゃ駄目だ、体の下、腹を。
それが駄目なら何とか中へ、内に直接…。中…!?

咄嗟に頭に浮かんだ思い付きを試してみるべきか、少し私は躊躇した。
しかしこのままでは、埒があかない。

「全員一旦下がって!怪我人を連れて後退しろ!」
第二小隊の者たちは私の命令の声を聞いて、それぞれ肩を貸しあいながら後退し、洞窟内の窪んだ岩陰にひそんだ。
私は後退していく全員の状況を把握しながら、すばやく周囲を見渡した。
兵士が落としたのだろう槍を見つけると、隙を見てそれを拾いあげる。
「何してるの、リッちゃん?」
一人下がらず、槍を拾い上げた私を見て、ユイが訝しそうに声を掛けてくる。
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