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追憶の紋章 【7】ドラゴンスレイヤー -01-

Category : 追憶の紋章【7】
討伐軍はすでに、三分の一の戦力が失われていた。

湖の畔で野営する討伐軍の陣営では、負傷者の治療に大忙しの状況だ。
サワコさんも神官の治療魔法をフルに活用している。
まだ壮健な者でさえ、ドラゴンの圧倒的な強さに戦意が挫かれているようだった。
神話の中でしか存在しなかったドラゴンが今、自分達の目の前にその姿を現し、その脅威を見せ付けていた。

第一隊の者ほとんどが、毒によって戦闘不能になったこの日の夜。
分隊の隊長たちが集まり、またもや作戦の協議が行われた。
第二隊の隊長である私も、もちろんそれに参加する。
「あの巨体と正面から戦う等、愚の骨頂だ」
「狭い洞窟内で少数でしか戦えないのも不利だ」
「かといってなんとか洞窟内から出したとしても、空中に飛び上がられてそこから攻撃されては手も足も出せん」
「しかし炎だけなく、毒まで吐き出すとはな・・・」
戦う条件の不利な点もさることながら、近衛騎士以外にも兵士や弓兵が多数負傷して戦線を離脱する中、打開策はすぐには見つかるはずもない。
会議は難航したままだった。

「あ、赤枝の騎士よ…」
複数の話し声が入り乱れる中、隊長…と言っても名ばかりと他の者から侮られ、すっかり存在感を薄くしていた王弟の子息が、突然私を呼んだ。
周囲の者は先程まで身を小さくし、ずっと黙っていた隊長が突然私の名前を口に出したので、全員が一斉にこちらへと視線を向ける。
「は!」
私はスッと立ち上がり、剣を立てて敬礼する。
「あ、その、まずは、昨日及び今日、兵の救出に尽力を尽くしてくれた事に感謝する…」
どこか弱弱しい声だったが、隊長はそう言って私に軽く頭を下げた。
ミオの、王女の従兄弟にあたる彼は、顔立ちはそれ程ミオと似てはいないが、黒い艶やかな髪と瞳は同じだった。その瞳は優しく、甲冑を着込んだ騎士より白衣を着た学者と言った方が、人柄を表すに似つかわしいだろう。

「もったいないお言葉です。ありがとうございます」
「うん…。そ、それで騎士として名誉の称号を持つ、貴君の意見を聞きたい」
何かあれば、遠慮なく言って欲しい。
柔和な表情をする隊長の急な言葉に私は少し驚いた。
王族である彼が、いくら「赤枝」の称号を持つとはいえ一介の騎士の私の意見を求めてくるとは思わなかったからだ。
しかし意見をと言われても。私自身もすぐには良い案は浮かんでこなかった。
「どうだろう…」
「…」
軽く迷いが生じながらも、なんと言おうかと考えている時、私の隣に座っていたユイが「はいはーい」と手を上げながら、いつもの能天気な声を上げた。
「私の良い考えがありまーす」
「ユ、ユイ!?」
「ん?そなたは?」
隊長は見知らぬ少女が私の隣に居た事に、今気付いたようだった。
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