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追憶の紋章 【6】 王家の伝説 -08-

Category : 追憶の紋章【6】
洞窟の中心地に入ろうとした途端、私はひどい眩暈に襲われた。
必死に意識を保ちながら周囲を見てみると、他の皆も同様に苦しそうな表情を浮かべ胸を抑えていた。ぼんやりとする視界の中、ユイの姿が映る。彼女は私にさっきの葉をひらひらと揺らして見せた。
私はハッとして、先程ユイにもらった葉っぱを口元に当てる。
途端に息が楽になりさっきまでの気分の悪さがなくなった。
これは、まさか…毒!?

「下がって!皆さん、下がって下さい!」
アズサの声がはっきりと聞こえてくる。
彼女は私達を洞窟の中心地から離れるように指示していた。
私と同様、ユイにもらった葉を口に当て正気を取り戻した第二隊の皆は、一旦洞窟から出ようと後退した。ユイやアズサも私と同じように、葉を口元に当てながら徐々に後退していく。

「た、たす…」
洞窟を出ようと後退する中、不意に後ろから小さな助けを呼ぶ声が聞こえてきた。
振り返るとそこには一人の騎士が、ふらふらになりながらこちらへ歩いてくる。
「大丈夫か!」
私は葉を口元に当てながら騎士に近づいた。
倒れそうになる騎士の口に葉をしばらく当てた後、仲間に彼を託す。
彼に当てていた葉を返してもらい、私は自分の口元へ持っていくと、そのまま奥へと向かう。

「リッちゃん!?」
「先に戻ってて。私は奥の様子を見てくる」
止めようとするユイの手を振り切って、私は葉を口に挟みながら洞窟の中心地へと向かった。
毒を受けてもここまで戻ってこれた者がいるなら、先に奥へと向かった第一隊の中に、まだ生きている者がいるかもしれない。
私はそう推測して、奥の中へと急いだ。
だが奥へ行く程毒の効力が強くなるのか、また気分が悪くなってくる。
それでも歩くのを止めはしなかった。

洞窟の中心地に近づくと、慎重に岩陰に隠れ顔だけ出して覗いてみる。
すると中は、胸を抑えて倒れている騎士や兵士たちで溢れていた。
全員毒にやられている。
昨日と同じように洞窟の奥にドラゴン居る。
その巨体な体を丸めて、どうやら眠っているようだった。
一度毒のブレスを吐いた後、そのまま眠ってしまったのだろうか?

私は静かに音を立てないように、近くに倒れている仲間に近寄った。
顔面蒼白になり、体は小刻みに痙攣していたがまだ生きていた。
周囲を見渡すと呻き声もいくつか聞こえてくる。まだ生きている者も多い!
「しっかりしろ!今、助けるから!」
私は一人を背負い、洞窟の中心地から離れて狭い通路を歩いて行く。
途中第二隊の仲間がこちらに向かって来た。
「大丈夫か!?」
背中に苦しそうな騎士を抱える私を見て、全員が顔を見合わせている。

中は毒のブレスで充満しているけど、まだ何人か生きていると私が簡単に説明すると、彼らはまだ生きている者を一人でも助けようと奥へと入っていった。
私も一度外へ出て、背負っていた兵士を救護兵に渡すと、また洞窟の中に戻っていった。
洞窟の外で残っていた他の隊も、第二隊からの報告によって現状を理解すると、すぐに第一隊の生き残りを洞窟から救い出すことに協力し始めた。

結局討伐隊の二日目もなんら成果を上げる処か、毒によって多数の負傷者が出ただけで終わってしまった。唯一の救いと言えば、毒をブレスをまともに受けたのに、死者の数が思ったよりずっと少なかったことだけが、僅かな慰めとなった。

昨日の突撃による失敗。
さらに今日の毒の攻撃を受けた討伐軍の戦力は、どんどん削られていく形となっていた…。

To be continued…
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