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追憶の紋章 【6】 王家の伝説 -07-

Category : 追憶の紋章【6】
ドラゴンとの初戦を終えた次の日。
朝には突入する、と鼻息高くそう宣言していた副隊長も、他の近衛騎士達多数からの進言もあり、一旦作戦を練るため本陣に隊長クラスの騎士たちを集めた。会議では昨日の反省点も含めて、いくつかの事が決められた。

あの狭い洞窟内では多数の人間が入っても、混雑するだけで効果ない。
そこでまずは騎士、兵士、弓隊、魔法士たちと役割毎に数人単位で分隊を編成する。
それぞれ分隊が決められた順に、静かにドラゴンが眠る奥へと入って行く事等だ。

編成された分隊の中で、私は第二隊に配属された。
ただ配属されただけではなく、私は第二隊の隊長に選ばれた。
隊には同じ近衛騎士数人と数十人の兵士。
さらに弓隊、神官であるサワコさんと、魔法使いのユイとアズサで隊を組んでいる。
同じチームの近衛騎士は全員私と同じ平民出か下級騎士だし、領主から推薦を得ているとはいえ、王家直属の魔法士ではないユイやアズサが選ばれていた。
人数もやや他の隊よりは少ない。

「やれやれ、これじゃあ赤枝の紋章を持つ、お前さんの腕の見せ処がないな」
同じチームの男性の騎士がやや皮肉をこめてそう言った。彼とは以前にも軍で仕事を共にしたことがあった。皮肉は私にではなく、大した実力もないくせに功を焦る副隊長を中心に組まれた、貴族中心の第一隊に言っているのだ。
それでもドラゴンと相対することを避け続け、王都や街に残っている他の貴族出身の騎士たちよりは、まだ戦う意欲がある分、その勇気を認めるべきかもしれないが…。

「あのご大層な鎧を着込んでいる連中じゃあ、ドラゴンを倒す前に、鎧の重量で疲れて倒れるのがオチだね」
女性の弓使いが先に洞窟の中に入って行く第一隊を見て、苦笑まじりにそう言う。
「ま、とりあえず我々は高みの見物と行きましょうか」
騎士がそう言うと、残っていたものがどっと笑い出す。
私も少し笑いながら、内心ではイレギュラー揃いではあっても、もしかしてこの第二隊が実力的に一番かもしれない…と思い始めていた。

第一隊が洞窟内に入ってからしばらくした後。
私達第二隊も、予定通り洞窟の中へと突入した。
洞窟前は不気味なほど静まり返っていた。最初に向かった第一隊はすでにドラゴンが居る場所へと到達しているはずだが、奥から物音一つ聞こえてこない。
「おかしいな…」
「そうだね」
ポツリと呟いた言葉に、ユイがいつもより真剣な口ぶりで相槌を打った。
「…ユイさん」
「うん、これはちょっとマズイかも」
アズサもいつもの余裕はなく、険しい表情でユイの方を見ていた。

「リッちゃん、リッちゃん」
「ん?」
「これ持っておいて」
「何これ…葉っぱ?」
「そう。もし何かあったら、これを口元に覆って」
こんな風に、とユイは私に渡したと同じ葉っぱで口元を隠すように覆う。
「え、なぜ、そんな?」
「用心」
ユイはそう言うと第二隊に所属する全員に、葉っぱを分けていた。
もらった方の頭の上に「?」マークが浮かんでいるだろうことは、想像に難くない。
全員に葉を渡したユイとアズサの二人は、困惑する私達を尻目に何か小声で話している。
そんな二人の様子を不思議に思いながらも、私たちは洞窟の奥へと歩き続けた。

だがこの後すぐに、この葉っぱに何の意味があるのか。
ユイから葉をもらった全員が、その身をもって理解することになる。
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ジャンル : 小説・文学

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