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追憶の紋章 【6】 王家の伝説 -04-

Category : 追憶の紋章【6】
…僅かな月の光だけが部屋の中を照らしている。

「リツ…」
すぐ隣で私に寄り添って眠るミオの小さな声が、部屋に静かに零れ落ちた。
私の名前を呼んだミオは、ますます私と自分の体を密着させてくる。
私も彼女の頭の下に回した腕を動かし、こちらに引き寄せるとまたキスを交わした。
もう何度目かわからない口付け。
互いの素肌の感触が心地よく感じながら、私たちは飽きることなく唇をあわせた。

軍の中でも生え抜きのエリートと呼ばれる近衛騎士と言えども。
「赤枝の紋章」を持つとはいえ爵位も持たない平民出の、近衛隊の中でも下っ端である私が、この国の只一人の王女である彼女とこんな関係になってしまったことは、きっと神をも許されない行為なんだろう。
それは誰よりもわかってはいるけれど。
「ふ、んぅ…」
「ミオ…」
彼女の白い綺麗な肌を自分唇で触れていく。温かくて柔らかい。
私は一度唇を離すと、彼女の黒真珠のように美しい澄んだ瞳を見つめた。
許されないとわかっていても、もうどうにも止められない気持だけが体中に溢れてくる。

もう一度だけミオに会いたい。

私はただただその想いだけで軍に入り、危険な任務でも真っ先に志願し、必死に戦いなんとか手柄を立てた。その功が認められて近衛騎士に抜擢され、初めて王宮に入り玉座に座る彼女を、失礼ならないように気をつけながらも上目遣いで見た。
王の横に座る彼女を見て、すぐに私にはわかった。
彼女はミオだ、同じ施設で育ったあの泣き虫だったミオ。

園長先生に「ミオは王女様なのですよ」と言わた時。
私は幼いながらに、先生が言わんとするその意味を理解はした、けれど。
実際にこうして目の当たりにするまで、心の奥底ではそれは何かの間違いではないだろうかと思っていた。本当はミオはまだ街のどこかに居るのでは…軍務に付きながらもそんな思いが私の頭の中から離れることはなかった。
それぐらい彼女が居なくなった事は、私にとっては唐突なことだった。
貧しくともずっとこのまま二人で一緒にいられると、盲目的に信じていたあの頃…。

五年以上会えずじまいだった私たちだが、互いを見たときすぐに気付いた。
王女と一騎士という大きな身分の開きがあり、二人して着ているものや身につけているものが、昔と違って上等な物に変わっていても。
彼女の黒い真珠のような瞳は変っていなかった。艶やかな長い黒髪も。
お互い背もあの頃よりは伸びていたし、顔も体つきも大人になって少しは変わっていた。
でもわかった、すぐに。
私の想像以上に、とても美しくなっていたミオ…。

「リツ」
「何?」
急に私から少し離れると、ミオは上半身を起こした。
胸元をシーツで隠しながら、ミオは目を閉じて、何か私には理解できない言葉を小さな声で呟いている。
これは魔法の詠唱か何かだろうか…。
しばらく静かに言葉を紡いでいたミオの体が、ぼんやりと青白く浮かび上がった。
「え」
光はミオが両手を前に出すと、彼女の手の中に集まっていく。そのままミオの手の中で消えていったかと思うと、彼女の手の中に青く光る小さな石が現れた。
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