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追憶の紋章 【6】 王家の伝説 -01-

Category : 追憶の紋章【6】
自称魔法使いのユイを連れて、討伐軍は街まで辿り着いた。
軍の公務がある私は、街中でユイに別れを告げる。
多少心配な気持はあったけれど、仕事がある私にはこれが精一杯だ。
彼女がすんなり用事を思い出せればいいんだけど…。
そう願いながらも、もう二度と会うことはないだろう…と思っていたのに。

予想に反して、ユイとはすぐに再会した。
再会した場所は、作戦本部となっている領主の館の中だ。
「…ユイ?」
「あ、リッちゃーん」
貴族である領主と親しげに話をしていた彼女は、私に気付くと何度も大きく手を振った。
なぜここに?…と驚く私に構わず、ユイは領主からの依頼で征竜討伐軍に、自分も加わる事になったと私に説明した。領主の話では以前からユイの事を知っており、彼女の魔法で何度か助けてもらったことがあるのだとか。
ユイが自ら「討伐軍に加えて欲しい」と願い、領主の方でも喜んでそれを受け入れたようだ。

…それにしても、魔法使いって本当だったんだな。
私より少し濃い茶色の髪を肩ぐらいまで伸ばし、前髪を二本のピンで留め、服の上から黒いフードのついたローブを羽織り、小さな杖を持つユイは格好だけなら、確かにちょっと童話に出てくる魔法使いっぽくもないが。
「よろしくー、リッちゃん」
「ああ、まあ、よろしく」
しかしどうにも頼りになりそうにない魔法使い…。
「すいません。なるべくご迷惑おかけしないように見ておきますから」
内心そう思っていた私に、横からそう言ってきたのは、ユイのすぐ側に居る女の子だった。

彼女はユイより少し背が低く、長い黒髪を二つに結っている。
濃い緑の上着に短い黒のスカート。その下に黒のストッキングを身に着け、上着と同じ濃い緑色の靴を履いていた。背中に小さなリュックを背負っている彼女は「この忘れっぽい魔法使いの助手です」とユイを指で示した。
「ユイさんがお世話になったようで。申し遅れましたが私はアズサと言います」
そう言ってユイの横で頭を下げたのが、アズサだった。
「いや、それほど大した事はしてないんだけど…。私はリツ、よろしく」
よろしくお願いします、と礼儀正しく挨拶してくる彼女。
このアズサという少女が、ユイが言っていた「財布を預けている助手」だった。

アズサは用事を済ませ後、二人で泊まっていた宿に戻ってみると、ユイはすでにどこかに居なくなっていた。ユイがふらふらとどこかに行ってしまうのはいつもの事なので、アズサはさして動揺することもなく、とりあえずこの街へとやってきた。
元々当初からここに来る予定だったので、ユイがこの街へ向かうことを漠然とでも覚えているなら、必ず会えるだろうとふんだのだがそれは正解だった。
てっきり財布を取って逃げたのだろう、と私が推測したのは間違いで、礼儀正しい助手はすぐにユイを領主の屋敷内で発見したのだそうだ。

「魔法使いの…助手」
ユイもそうだが、アズサもとても魔法を使えるような感じには、私には見えない。
その思いが素直に表情に出ていた私に気づいたアズサは「本当ですよ」と言うと、ポンと音を立てて煙と共に消えてしまった。
「わ!」
こんなに身近に魔法を見たのは初めてだったので、素直に私は驚いた。
ところでこれは消える魔法かなにか…?
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