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追憶の紋章 【5】 迷走する討伐軍 -07-

Category : 追憶の紋章【5】
「…何を調べるかはわからないけど。ユイ、お前は別に国で雇われている魔法士じゃないんだから。何もわざわざ危険な目に遭う必要はないだろう」
「え?でも私は街で雇われた魔法使いだよ」
「それはそうだけど…」
「それにリッちゃんは恩人だからねえ。そのリッちゃんがドラゴンを退治するのがお仕事ならお手伝いしないと」
「恩人ねえ…」
そんな大げさな事した覚えはないんだけど。
「いやいや、あの時は本当に助かったよ~」
ユイは嬉しそうにそう言いながら、ちょっと舌を出してテヘと言いながら誤魔化すように笑った。

***

ユイと初めて会ったのは、王都から選抜された討伐軍が街へ向かう途中のことだ。
王都から街までは二日程かかる。街へと向かう途中にある小さな町近くで、討伐軍は一日駐留する事が決まっていた。
町のはずれに古びた食堂があったのだが、私が偶然その店の横を通り過ぎようとして、中から大きな怒声が響いてきたかと思ったら人が外に飛び出てきた。
一人はこの店の店主のようで、かなり怒っている様子だった。
そしてその怒っている店主に怒鳴られているのが…ユイだった。

ユイの胸倉掴む店主を宥めて訳を聞いてみると、どうやら彼女はお金を持っていないとの事。
いわゆる無銭飲食ってやつ?
「すいませーん、財布を忘れてきちゃいまして~」
「嘘つけ、このやろ!最初から食い逃げする気だったんだろう!」
「ち、違いますよー。だったらおじさんに『財布忘れちゃったみたいなので、この魔法グッズを代わりに』なんて言わないよ~」
「黙れ、コノヤロ!こんなもんいるか!」
「ああ、それ結構値打ちものなのに~」
「こいつ!」
怒り心頭といった感じの店主と、下に落ちた魔法グッズ?を拾おうとして店主の怒りを買う二人の間に私は入る。

「ま、まあ、落ち着いて…」
結局私が彼女の食事代を肩かわりすると言うと、ぶつぶつ呟きながらも金を受け取ると店の中に戻っていった。金額的には大したことはなかったのもあるけど、腰に剣を下げている私に遠慮したのは間違いない。
「あ、ありがとう」
「いや、いいけど。本当に食い逃げする気じゃなかったんだろうな」
私と同じ年くらいの女の子が、大の大人の男に責められているのに少し同情したので肩代わりしたのだけど。
「違うよー。私、すごい忘れっぽいんだよねえ」
ついお腹が減ったんで、いい匂いを漂わせるこのお店に一人でふらふらと入って食べた後、財布を預けていることを思い出したのだとか。

「普通忘れるかね、そんなの?」
「たまーに私、自分の名前も忘れちゃうから」
へへへ、と舌を出して誤魔化すように笑う。
「…財布を預けたって誰に」
少々呆れながらも、私はそう聞いてみた。
「私の助手さんだよ」
「助手?」
「私こう見えても魔法使いなんだよね」
「魔法使い…」
こんな忘れっぽい魔法使いなんているのかねえ…。
私は半信半疑で目の前の、体に黒いローブを羽織った女の子を見つめた。
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