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追憶の紋章 【4】 晩夏の異変 -05-

Category : 追憶の紋章【4】
ドラゴンの出現は間違いなかった。

街はすでにかなりの被害が出ている、との報告が先遣隊の一人からもたらされた。
先遣隊のメンバーも数人怪我をして、そのまま街に残っていることも報告された。
「討伐隊を結成せよ」
王の一言でさっそく騎士団から自薦、推薦が相次ぐ。

リッちゃんは討伐隊に、自ら志願しようとしていたけれど、私はそれを止めた。
一応伯爵と私からの推薦という形で、討伐隊に加わる旨を近衛隊に打診する。
「討伐隊のメンバーに選ばれる事を望むか」
「望みます」
近衛隊隊長から形ばかりの下問があり、それに応じた彼女は討伐隊のメンバーとして正式に認められた。
彼女は自薦でもいいならそれで良かったのに…と少々不服そうだったけれど、推薦という形にしておいた方がいろいろと角がたたないとの伯爵の配慮だった。平民出の彼女があまり顔を出しすぎると、気位ばかり高い貴族出身の騎士たちの反感を買うかもしれないからだった。

一個中隊程の討伐隊が編成され、討伐隊の正式名称は「征竜討伐軍」と命名された。
ドラゴンは一体だけと確認されてるとはいえ、一個中隊編成は人数的には少し少ないような気がするが、なぜかそれに対しては誰からも異論が出なかった。
征竜討伐軍のメンバーは近衛騎士を中心に、残りは一般の兵士以外にも弓兵、神官、宮廷の魔法士達。さらに医師や救護兵等、必要な陣容が揃えられた。

そんな陣容の中、近衛騎士から選出されたメンバーをみて、私は少しだけ違和感を覚えた。
討伐軍の隊長は、王の弟君である王弟殿下の二人の息子の内の一人。
王族までも参戦する事に、私は少々驚いた。
王位を狙う意味で功績を作り、箔つけでもする意図だろうか。
それはいいのだが、他の近衛騎士たちは貴族は貴族でも下級貴族や、リッちゃんと同じ平民出身の騎士で多く構成されていた。
もちろん上位貴族もいるにはいるが、その数は少ない。
それがなぜか、私はすぐにその意図が理解できた。

ドラゴン退治もむろん大事だが、隣国との戦争になった時の事を考え、兵力は少しでも温存しておきたい事。さらに名門貴族の子弟であり、剣の修行もそこそこに、近衛騎士の称号を形ばかりに受け取った上級貴族出身の騎士たちは、恐ろしいドラゴンなどにわざわざお会いしたくないからだろう。
「選ばれし騎士たちよ。わが国の新たな勇者が現れる事を期待しておるぞ」
王の形ばかりの激励を受け、討伐軍は明日の早朝から街へと向かう。
それまでわずかばかりの休息時間を与えられた。

***

「リッちゃん」
私は自室で出発の準備をしていた彼女に会いにいった。
リッちゃんはどうやら準備はもう済ませたようで、椅子に座ってボゥと何か考えているようだった。
私が顔を見せると、彼女は嬉しそうに私を部屋に招きいれ、お茶を出してくれた。
「ありがとう。無事に私が討伐軍に選ばれたのも、ムギと伯爵のおかげだ」
彼女はそう言って軽く頭を下げる。
「…」
御礼を言われるような事を、私は彼女にしたのだろうか。
「…心配しないで欲しい。大丈夫だよ」
どうしても心配で憂い顔になる私に、リッちゃんは明るい声でそう言ってくれる。
それはもちろん私を通して、ミオちゃんにもそう伝えて欲しいと思いながら、彼女は言っているのだろう。
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