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スカイハイ【14】 - 02 -

Category : スカイハイ【14】
ほとんど無理やりと言ってもいいくらいの強引さで、私は事務所があるビルの屋上に澪を連れて来た。ここは普段は練習後の気晴らしを兼ねて、よく皆でくる場所だった。
東京の街を一望できるここは、私のお気に入りの場所でもある。

「いい眺めですね」
私に無理やり連れてこられた澪は、なんとものんびりした雰囲気でそんな事を言う。
もう会うことはないだろうと思っていた元恋人が突然現れて困惑するばかりの私とは対照に、澪は至って落ち着いた様子だった。

「み、澪。なんでここにいるんだよ」
単刀直入に、私はそう聞いてみる。
「なんで、と言われましても…」
大学卒業して、ここに就職しましたから、とあっさりした感じで澪はそう言った。
「ここに?わざわざ?」
「ええ」
これまたあっさりと答える澪。
昔と変わらぬ長い艶のある黒髪を少し指で払う仕草をしながら話す彼女は「それがどうかしました?」といわんばかりのすました表情を浮かべている。
二人きりになった今も、澪の口調はいかにも今日初めてあった新入社員らしい口調のままだ。

「な、なんで、こんな零細企業に」
さわちゃんが聞いたらまた怒りだしそうな事を私は聞き返した。
てか、なにもここでなくても、澪なら地元の大きな会社にいくらでも入れたんじゃあ。
「将来性を感じまして」
「…いかにも面接の時にありがちな志望動機を聞いてるわけじゃないんだけど」
「あと、実家を離れて、東京で働いてみたいとも思いました」
「え?」
澪が?地元を離れて?一人で?あの澪が?
彼女の昔を知る私には、過去のイメージの違いにひどく困惑せざるえない。

「だ、だとしても。何もここでなくても」
東京でも、大学出で成績も優秀だった澪ならもっと良い会社にいけたんじゃあ…。
「いえいえ。最近は大卒だからって、そんな簡単に就職できる訳でもないんですよ」
「はぁ」
それは何となく聞いた事あるけど。まぁ、不況だし。でもなぁ。
「いや、でもさ…」
「私は自分の意思でここを選択して、受けたんです」
幸い合格する事ができました。
何を言っていいやら、わからなくなってきた私に、澪はきっぱりとした口調でそう言うと少し笑った。

「私が、自分自身の気持ちに忠実に従って、ここまで来まし…来たんだよ、律」
律、と久しぶりに彼女から名前を呼ばれた瞬間、私の心臓が大きく跳ねた。
「だから律が私の事で何か気にするとか、そういうのとかは別にないから」
昔の口調に戻った澪は、そう言うとまた少し笑った。でもその笑顔は少し硬い。

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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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