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スカイハイ【12】 - 09 -

Category : スカイハイ【12】
実家に泊った次の日、私は早目に起きて出掛ける準備を始めた。
「どこに行くの?」と聞いてきた母に、「大事な処」とだけ答えると私はそのまま家を出た。

久しぶりに歩く家の近所。あまり変わりばえはないけれど、何となく新鮮だった。
二年前までここに住んでいたのに、なんだか随分久し振りに帰ってきた気分になる。
出掛けに見た天気予報では、午後は傘マークがついていたから雨が降るかもしれないが、今はとてもいい天気で空は晴れ渡っている。

そういえばあの時も、こんな風によく晴れていたっけ…。
ふと卒業式に見たあの空を思い出した私は、何となくもやもやした気分になりながらも、歩いて五分をしない内に目的の場所に着いた。

「それにしても、広いや…」
洋風の門を前にして、私はまたもや一人言にように呟く。
想像以上に、澪は結構イイトコのお嬢様だったのかも。
なんとも広い敷地前で私はそう思いながら、少し委縮した気分になりつつも、一度大きく頭を振るとなんとか気分を奮い立たせた。

もう一度だけ澪と話をしなきゃ。
そう思いつめた私は昨日から実家に戻って、今日はこうして彼女の家の前に立っている。
…のだけれど。インターホンを押そうとして止め、また押そうとして逃げて、と。
そんな風に澪の家の前で行ったり来たりしながら、すでにもう三十分くらいたっていた。

「今更何をびびってるんだ」
ことここまで来て躊躇する自分に、かなり情けない気持ちが湧いてくる。
澪の両親に会うのが怖いのか?
澪にはっきりと別れを告げられるのが怖いのか?
「もちろんそのどっちもだけどさ…」
秋山家から少し離れた場所に立ち、ひたすら自問自答を繰り返す私。

あの時、大学のバス停前で話をした時。
澪の手を取ることは出来なかったけど、納得出来た訳じゃなかった。
未練がましいのはわかっていても、まだ彼女を諦めきれない。
バンドも澪もどちらも選べない今の自分を死ぬほど情けなく思いながらも、どうしてもふんぎりをつける事が出来なかった。正直、怖いのだ。
きっと今日でいろいろと何かが決まる事がわかっているから、怖い。
でも、でもとにかくもう一度会って話を、それからじゃないと。

…なぜ、だろう?
休日の静かな住宅街の片隅で、私はまた疑問を自分に投げかけてしまう。
澪ともう一度話をしないと駄目なのはなぜだろう。
彼女はもうあの時はっきり私に言ったじゃないか、応援している、夢をあきらめるな。
私は、待てない…と。私もちゃんとそれは聞こえていたのに。

自分で選べない未来を、私は澪に選んでもらうつもりなんだろうか。
自分の事なのに。自分の夢や未来なのに。
「情けね…」
心から今の自分の状態を悔しく思いながらも、私はやはりこの場を離れる事が出来なかった。

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ジャンル : 小説・文学

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