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スカイハイ【12】 - 08 -

Category : スカイハイ【12】
次のバスが来たのだろう。ほどなくして車から放つライトが私たち二人を包む。
ドアが開くと澪は何事もなかったようにバスに乗り込んで行く。
「待って、澪、話はまだ…」
しばらく何も言えず黙りこんでいた私だが、澪がバスに乗り込むのを見て慌てて彼女の手を取り止めようとした。

「メモにも、書いたけど。…私はドラムの前にいる律が、一番好き」
私の行動を制するかのように、こちらを振り返りもせずにそう言った。
「澪」
「ずっと、応援し…」
そこでドアが閉まり澪の声が途切れる。
バスはほどなく動き出し、暗い夜道へ向かって走り去っていった。

私はただ暗闇に消えていくバスをじっと見続けた。
そのまま呆然とバスを見送った私は、どっとここ最近の疲れが出たのか倒れるようにベンチに座わりこんだ。山の中にあるせいか、駅前に居た時より冷たく感じる風を全身に受けながら、私は先程バスに乗った時の澪の様子を思い出していた。
バスに乗り込んだ後、ガラス越しに見えたのは私を拒絶するかのような彼女の背中だけ。

…でもその後ろ姿から、澪が少しだけ肩を震わせている事に私は気付いていた。

***

「こんなに近かったんだ…」
初めて見る澪の実家を見ながら、私は思わずそう呟いた。

ここに来たのはもちろん初めてだ。
私は思った以上に自分の家から近い事に、少し驚いていた。
こんなにも家が近いのに、高校だって同じだったのに。
澪と普通に仲良く話をするようになるまで20年もかかったのか。
そう思うと、今更ながらに私はなんだか妙に悔しい気分になった、

週末、私は久しぶりに実家へと戻っていた。
久々に家に戻った理由は、両親に無事学校は卒業出来る事。
さらに就職も決まりそうだという報告を兼ねていた。
もちろんそれだけでなく、バンドのスカウトされた事もきちんと話した。

全て話を聞き終えた後、父さんや母さんは卒業や就職の件では「よく頑張った」と二人して珍しく私を誉めてくれた。さらに進路に対しては自分の好きな道を選べ、とも言ってくれた。
両親の言葉には素直にありがたいと思った。
こんなに父さんたちの前で素直になったのは、さていつ以来かな。

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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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