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スカイハイ【9】 - 09 -

Category : スカイハイ【9】
店の営業時間はとうに過ぎた時刻。
「田井中さん、今ちょっといい?」
「はい?」
シャッターは下ろした店内で商品の在庫チェックを済ませ、店の奥にある事務所に戻って来た私を店長がそう言って手招きした。

チェック表をいつもの場所に置いた後、私は店長が座る場所へと向かう。
店長に近づくと、少しだけ煙草の匂いが鼻に吐いた。
事務所内での喫煙は禁止されているから、また外で吸ってきたんだろう。
バイトとしてここで働きだして一年程たつので、大体店長の行動は把握出来るようになっていた。
まあ別に本日の営業時間も過ぎ、店も閉じて落ち着いた今、それぐらいは許されると私は思う。

「いつもご苦労さん、今日はもう上がってもらっていいんだけど…」
「ありがとうございます」
私は軽く頭を下げてそう言ったけれど、まだ話が続きそうなのでそのままでいた。
「急だけどさ、田井中さんは学校を卒業したらどうするの?」
もう就職先とか決まった?と店長が聞いてきた。
「いえ、まだ」
就活連敗中の身です、と内心で呟く。

「そうなんだ。あ、そういえばバンドの方はどうなの、まだ続けてるの?」
「ええ、まあ…」
そう言って頷きつつも、ただ就活が決まれば活動も控えていくつもりです、と私はつけ加える。
「それもそうだよなぁ。…あー、でもさ。この前言ってなかったっけ?」

あのライブハウスで、ライブすることになったって。

私の言葉に最初はうんうんと納得していた店長も、ふと思いだしたのかそう聞いてきた。
「ま、俺も昔はバンドしてたし、ちょっとはそのライブハウスの話は聞いているけどな」
「ええ。そこからスカウトされてデビューしたバンドもいるって…」
「そうそう。だからこの間話聞いたとき、内心俺もちょっと驚いてたんだけど」
で、結局どうだったんだ、と聞いてきた店長に、私は思わず苦笑いしてしまう。

「いや、それが別に」
「別に、て?」
「ライブはするにはしたんですけど…」
そう、私自身も他のメンバー達も多少緊張しながらも、全員その日の演奏には満足出来るものがあった。お客さんの手ごたえも、それなりに感じたような気がしていたのだけど。

でも結局お客さんのアンケートで決める、本日の「ベストバンド」賞には選ばれなかった。
まあ初出場でいきなりそれは望むのは、ちょっと欲張りすぎかもしれない。
ただ悔しい気持ちがまったくないわけもない。

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