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スカイハイ【9】 - 08 -

Category : スカイハイ【9】
四人でステージに上がって演奏したのはたった二度だけ。
でもその二度のライブが、夢にも思わなかった大きなチャンスを運んできた。

私たちが誘われたライブハウスはここらへんではすごく有名な所で、そこからプロデビューしたバンドやシンガーがたくさんいる。だから地元のバンドマンなら誰もが一度はそこでライブをしてみたいと思っている、そんな場所だった。

「すごい、すごいよ、りっちゃん」
「なんだか夢みたいですねー」
「驚いちゃったわね」
近くの深夜までやってるカフェで、それぞれコーヒーや紅茶を飲みながら、私たちは興奮気味に話していた。もちろん私だって嘘みたいだと思わずにはいられないし、嬉しさだって人一倍だ。
ただ純粋に喜び合う三人とは違い、私は内心ひどく複雑な気持ちだった。

「ここに出場したバンドは、一種のオーディションを受けるのと同じだって前に聞きました」
そう言った梓の様子は、いつものちょっと冷静な感じではなく、少し興奮しているのがわかる。
「オーディション?」
「そうなんです」
隣に座るムギに顔を向け、梓は話を続ける。

「一日四つのバンドが演奏して、その中から選ばれたバンドはデビューのお話がくるかもって」
「そうなの」
「すごいねー」
「唯はさっきからすごいしか言ってないな…」
私は皆と同じように興奮しつつも、どこか醒めたもう一人の自分が居る事に気付いていた。

「とにかくこれは大チャンスだよ、あずにゃん!」
「そうですね」
「とりあえずライブの日までもうあんまり時間がないし。早くいろいろと決めないといけないわね」
ね、りっちゃん、と私に正面に座るムギがそう言っても、私は少しぼんやりしていたせいか反応が少し遅れてしまった。

「律さん?」
梓の声にハッとなる私。
「…あ、ああ。そうだな。演奏する曲とか決めないとな」
「よーし、ここは頑張らなきゃだね」
「はい」
「日本帰国早々いろいろあって、なんだかワクワクするわね」
楽しそうに和気あいあいと話が進む中、私一人がどうにもその波に乗れず、ただひたすら曖昧に顔を頷かせるのが精一杯だった…。

***


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ジャンル : 小説・文学

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