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スカイハイ【9】 - 03 -

Category : スカイハイ【9】
「な、そんな事…」
「あの子のご両親が安心出来るような、堅い会社ばっかり選んでるのもあると思うけど」
りっちゃん自身、本音ではそれ程行きたいと思ってないでしょ。
どこか反論を許さないすっぱりとした口調で、唯はそう言った。
「だからそこが面接してる時に、すぐに相手にばれちゃってると思うんだ、私」
「…」
滔滔と話す唯の言葉に、私は反論出来なかった。
ある程度、唯の考えは的を得ていたからだ。

「でも、それとこれとは別だってわかってるんだ」
「唯」
「これは私のわがままなんだって。よくわかってるから」
「…」
「でも一度だけ、一度だけでいいから考えてみてくれない、りっちゃん」
「四人で一緒に、本気でバンド活動する事を…か?」
「そう」
頷く唯を見ながら、私は胸が奇妙な興奮に包まれて行くのを感じていた。

先程まであった強烈な、どこか苛立ちにも似た羨望の気持ちが徐々に消えていく。
唯やムギ、そして梓と私の四人で、真剣に本気で音楽の道を進んで行く。
そんな夢のような未来の想像図が、私の心にすさまじい勢いで流れてきた。
「本気なのか、唯」
「私は本気だよ。りっちゃんさえ良ければ、今すぐだって四人でライブしたい」
いつもは掴み所のない、能天気な雰囲気を纏う唯とは思えないはっきりとした口調だった。

「りっちゃんは、どうなの?」
「どうって?」
「本当に就職したいの?音楽をすっぱり趣味として割り切れるの?」
「わ、私は」
就職しなきゃ駄目なんだ、バンドは趣味でいいじゃないか。
そう言おうとした。でも口からは何も出ない。
心の奥底で嘘吐くな、と誰かが叫んでいるような気がした。

「ご、ごめんね、りっちゃん。勝手な事ばっかり言って」
顔を俯かせてしまった私を見て、唯が少し慌てたようにそう言ってきた。
唯がそう言っても、私は何と答えていいかわからず沈黙状態が続いた。

「本当にごめん。忙しい処だったのに急に来ていろいろ言っちゃって」
私がいまだ黙っているので、怒っていると勘違いしたのか。
唯はますます焦った様子を見せ、「今日はもう帰るね」と言いながら腰を上げた。

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